第一章 7話 父と母と魔王にはめられたみたいです。

「言質は取れたな!」


どこからともなく、父ダノンゾルデはやってきて、僕の肩を掴むと、ニヤッと微笑んだ。

それと同時に、魔王、母の口元もニヤッと歪んだ。


「え?なになに!?」


その瞬間、ふわりと僕が立っている地面から浮遊した感覚とともに、魔王の玉座の間にいた空間を、全て暗闇が覆った。

そして、その暗闇が一瞬にして晴れたと思ったら、魔王、母、父、また見たことないほどの多くの魔族が広間を埋め尽くすほどにおり、また魔王、ターグリフ、ダノンゾルデ、僕の前に綺麗に整列していた。


「え?え?どうゆうこと??お父さん、お母さん」


父は僕の方を振り向かず、多くの魔族の方を向き、


「これより、時期魔王四天王の紹介をする!!一同、拍手を!!」


その掛け声とともに、魔族たちが一斉に拍手をする。

その拍手による音は、魔族が並んでいる広間に轟音をもたらした。

30秒程拍手が続いたあと、


「拍手止め!」


ダノンゾルデの指示とともに、拍手が鳴り止み、静寂がその場を包んだ。

そして、魔王が私を引き連れ、多くの魔族の前に立たせた。


「のじゃ!」


「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」」」


まるで、「のじゃ」がとても意義がある言葉のような錯覚に陥るほど、その場に整列した魔族は雄叫びをあげた。

また、その雄叫びが静まる頃にダノンゾルデは通訳を開始した。


「魔王が言われた通り、たった今、このターダノが魔王四天王候補として認められた!

そして、それとともに、今後はこの第三魔王大隊の一員であり、将来の第三魔王大隊の隊長としての役割を得たこととなる!

この第三魔王大隊は今後ターダノのために動き、ターダノの矛となり盾となる!

そして、ターダノが魔王四天王候補ではなく、魔王四天王となった暁には、この大隊は現在の地位から2段階上がり、魔王直属の大隊となる!

皆、魔王に誓え!ターダノを魔王四天王とすると!

オーフオブサタン!」


「「「「「「オーフオブサタン!」」」」」」


ターダノは呆然としながら、魔王に誓いを立てる魔族の光景を光景を見ていた。

そして、思った。


(あれ?僕、まだ産まれて2ヶ月だよね?)




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