第一章四天王候補編 1話 転生とともに告げられる無慈悲な名前
「オギャーオギャーー」
僕が瞼を開けると、とても眩しい光にさらされる。周りに見える景色はほとんどぼやけており、目がほとんど見えない状態であった。
「あなた!!産まれたわ!!」
「おおおおおお!よかったぁあああああ!!」
そんな声を聞きながらほとんど見えない目を開けてうっすら見える輪郭が人間のようだった。
(あぁ、ほんとうに転生したんだなぁ・・・)
そんないままでに経験したことのないような気持ちを抱きながら、両親だと思われる人たちにとても柔らかくてふわふわした布に巻かれて優しく抱きかかえられる。
「あなた!この子の名前、どんな名前にしましょう?可愛すぎるわ!」
「そうだなぁ、今は私たちのようにネームドではないから、三年後の昇華の儀式までに考えてあげたら良いんじゃないか?」
「それもそうだろうけど、この子を今から名前で呼んであげたいわ!」
「それもそうだなぁ・・・では、私たちの名前ターグリフとダノンゾルデのふた文字とってターダノとしてはどうか?」
「その名前は素敵ね!ターダノ、わたしがあなたのお母さんよ〜」
とても嬉しそうな声を上げながら、優しく僕をあやす。
「オギャーーーーーーーー!!(転生してまでその名前はやめてぇえええええ)」
「おお!!こんなにもこの子は名前が気に入っているのか!!お前、良かったな!」
「そうね!あなた!」
「オギャーーーーーーーーーーー!!」
かくして、この転生は、タダノにとって無慈悲な名前をプレゼントされた、本当に素敵?な転生となるのであった。
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