1-2
職場に着くと血痕は表の出入り口の方にあった。
(僕の職場は地下1階〜2階まであり、
2階は手術室、
1階は診療室、
地下は実験室となっていてる。
何の実験室かは後でわかるだろう...
そして職場の出入りは裏口で行っている。
表口でない理由は患者にあるんだ。
僕が担当する患者は基本表に顔が出せない連中
ばっかりだ。
だから少しでも見られるリスクを下げるため、
裏口の出入りのみとしている。)
表の出入り口は余程なことがない限り簡単に開けないが緊急時は別だ。
血痕は表の出入り口の方にあり、地下へと続いている。
と言うことはここを知らない人物?
それか余程の緊急事態か?
階段からはハァ、ハァ、ハァ、と声が聞こえてくる。
僕は階段を急いで降りた。
前を見ると腹部から血を流して倒れている男がいた。
「大丈夫か !!!」
僕は男に駆け寄った。
しかし男は僕の言葉に反応しなかった。
目は閉じていて、刺激を加えたり
大声で話しかけたら軽く反応する程度だった。
見た目は大体20代中盤ぐらい、
体格はガッチリ体型だ。
意識は朦朧としている状態。
顔面蒼白、脈も弱い、
腹部からの出血。
このままではまずい
出血性ショック
血液が循環しないことで起こる多臓器不全
さらに感染症
これらが原因で死んでしまう。
一刻も早く手当てをしなければ...
僕は助手に連絡をした。
助「どうしましたか?」
先「今から緊急オペだ、地下の実験室で
手術を行う。」
助「めんどくさいです...
私必要なんですか?
2階の手術室でしましょ
私の実験室が汚れるので却下」
先「必要だから電話してるんだよ!
話は後だ、
地下階段の表の扉の鍵を開て
輸血の準備をしててくれないか。」
助「(私の話し、スルーされたー)
めんどくさいですけど分かりました。
後で、、、なんでもないです。
山田はどうします?」
先「あー・・・・、、
どうせそろそろ死ぬ男だろ、外で待た
せようが中に入れようが同じだ。
スルーで。」
助「了解しました。」
電話を切るのと同時に地下の扉が開いた。
まるで倒れていた事を知っていたかのような早さだ。
行動が早くサポートができる優秀な助手なのは間違いないのだが、
助手が血だらけの患者を見た瞬間ニコっと笑った。
僕は始まったかと思うとため息が出た。
まぁ、いいか
今はあまり考えないようにしよう。
「先生」
僕は聞こえてないふりをした。
どうせ治ったら人体実験をしてもいいですか?
遊び道具にしてもいいですか?
とか言い出すに決まっている。
しかも今から彼女(助手)が、大好きな手術、
絶対言うに決まってると思った。
もう正直イかれてる。
(人体実験をする際は目の色を変えて喜び、
痛めつけれるだけ痛めつけてから麻酔をしたり...
痛みはどの程度まで耐えれるのかを見て
楽しんだり...もうサイコパスだ。
僕はその事であまり関わらないようにしている。
だが彼女は決して殺さない。
殺してしまったら問題だが、
何回も同じ人間を使い、精神を崩壊して行く
過程を見るのが好きとか...)
悪魔の女だ。
見た目は凄く優しそうな人、
それはもう羊の皮を被った狼。
実験代として扱われる人達は日に日に顔が死んでいた。
助手はその変化を見るのが好きなんだとか。
実験代とされる人達は、ほとんど助手の気分だが、凶悪犯、脱獄犯、組織を裏切った裏切り者、そういった人達が多い。
(そういった人達しかほぼこない)
ここは地獄、死より辛い場所。
だから彼女はこの男の怪我が完治したら実験台の人間が増えると思っているからやる満々だ。
僕は重い足取りでストレッチャーを手術室に運び緊急手術を開始した。
正直腹部からの出血がかなりひどい。
それに臓器損傷もどうなっているのか
分からない状況だ。
バイタルは今は落ち着いているがこれもいつ急変するかも分からないときた。
どうする...
少し焦るが僕は手中して手を動かした。
約4時間後
助手の完璧なフォローもあり手術は無事終えることができた。
先「傷口は左上腹部、
傷口が深かったが臓器損傷は思ったより
無かったな」
助「そうですね、刺し場所があの位置で
良かったです。
少し臓器損傷があり
途中危ない状況になりましたが
一命取り留めて良かったです。」
先「後少し刺し場所がズレていたら最な
状態だったな。
死んでいてもおかしくなかったよ。
一応48時間は経過観察にしよう
急変することも考えていつでも手術が
できるように準備をしておくか。」
助「そうですね、分かりました。
何かあったら私の携帯に連絡して下さい」
先「はいよー」
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