1-3
時刻は現在、13時頃、
手術も終え
一段落した所で僕達は昼食にしようとしていた。
先「生野君、昼ごはんにしようか?」
食べれる時食べとかないと
いつ食べれるか分からないぞ」
助手は無言でその場を立ち去りどこかに行って
しまった。
僕は休憩室の棚の中からカップラーメンを
取り出しお湯を注いだ。
これ一つじゃちょっと足りないよな...
だが、カップラーメンしか食べる物は無いし、
助手はと言うとロッカーから
朝買ったと見られるサンドイッチを持ってきていた。
こんな量で足りるのか?
と心配したが、僕も似たような物だなと思い
カップ麺を机に置き紙蓋を開けたその時、
助「あっ、、
先生、山田を裏入口に待たせたままです。
後まだ3分経ってませんよ。」
先「そう言えば、、、。
今のタイミングで言うなよ、
聞かなかったことにして先に食べようか、
後カップ麺は、1、2分ぐらいで
問題ない。」
助「なんだかんだ
4、5時間ぐらい待たせてますよ?
いや、なんでもないです、先食べましょ。」
良かった〜
食べる前に見に行ってたら飯抜きになって
いる所だった。
だがめんどくさいと思う気持ちが強い、
おまけに会いたくないときた。
しかし仕事、そうも言ってられない。
ご飯食べ終わり次第、向かうことにするか。
先「生野君はついてくるか?
でも知らない人は苦手だよね?」
助「はい、苦手です。
なので私は山田探しはしません。
先生、後はお願いします。」
と、告げ助手はどこかに行ってしまった。
やっぱりか、と言うか、食べるの早くない?
サンドイッチ2つだけだもんな、そりゃ早いか。
仕方ない一人で山田を探すか...
僕はカップ麺を急いで食べ、
裏の出入り口に向かうとした。
扉の前に着き、僕はドアノブに手をかざした。
正直探すのは面倒なんだよな、
扉の前に居てくれたらどれだけ楽なことか。
僕は、溜息をつき扉を開けた。
すると目の前には仏頂面した男が座り込んでいた。
良かったーと安心した。
この仏頂面した男が山田だ。
山田は逃げる気配はなく、座ってこっちを睨んでいた。
怒ってて当然か、逆の立場なら僕も怒ってると思うだろうし。
山「遅い!!何してたんや!!」
先「ごめんごめん、
緊急オペをしてたからさ。」
(正直この口調は苦手だ。)
山「オペだ?
俺の方が優先だろ?
こんな時間まで待たせやがって!
ちゃんと詫びはしてもらうからな。」
先「はいはい」
(こんな時間って言ってもまだ昼なんだけどな)
やっぱり山田はうるさい。
しかも関西人だけあって口調も乱暴気味なんだよな...
あいつに舐められないようにポーカーフェイス
でいるか、
と言ってもお互い性格知っているからそんな事をしても無駄かな?
しかし久々の再会、お互い性格が変わっている可能性もある。
だがさっきの様子を見れば山田は何も変わってなさそうだし、ポーカーフェイスいよう。
無表情の人間は怖いし何考えてるか分からないと思うんだよね。
山田もそこまで言うてこないと思うんだよね。
そんな俺の考えが顔や態度に出ていたのか、
山田はさっきより苛立っており
今にでも手が出て来そうな雰囲気だ。
こっちの考えを読まれているのでは?
と思ったがそれはないか。
山田は人が思っていることが分かる人間でもないし、
今は絶対待たされた事で怒っているに違いないし。
恐らく助手には足であしらわれるだろうし、
んー山田の怒りが爆発しなかったらいいが...
僕は少し不安だった。
今の状態を見てれば不安になるのは当然だ。
助手は知らない人に対して警戒心が強い。
だがそんな事を考えても仕方がない。
山田を職場内に入れないといけないし、
んー、僕はどうしようか考えていた。
すると山田は立ち上がり
「入るぞ」
と僕に告げ中に入り職場内を歩き始めた。
「山田、勝手に部屋入ったりするのは
辞めてくれよ」
そんな声に山田は反応する事はなく周りを見渡していた。
周りの物に興味があるのか?
何をしているのか僕にも謎だったが、
山田のしていることなんて気にもせず
僕は休憩室に戻った。
でも大切なことを忘れていた。
ここは職場!!
と言っても病院、
薬や機密書類などが山のようにある。
そんな物を見られて、紛失されたら大問題!
だが、僕はそんなことを考えずに休憩時間を優雅に過ごしていた。
山田は苦手だけど昔から人の物は取らない。
そこを信用しているからこそできる行動だ。
だが、そんな優雅に過ごせる時間は短く、
廊下から大きな声が聞こえて来た。
山「てめーなんやその目は、」
なんでこんな所に、
先生ーー
1人じゃなかったんか?
まぁ、それはいい、なんやねん
こいつのこの態度!」
僕は、山田の声に目が覚めた。
又独り言か?
でも今、先生と言っていたような、
山田は一人で喋り一人で納得男だ。
まぁ、大丈夫だろ?
助手も居ることだし、、
「んー嫌な予感がするな、仕方ない
行くとするか。」
部屋に行くと助手は目を細め山田を睨んでいた。
いや、これは睨めつけていた。
山田は色々と助手に言っているが助手は全く相手にすらしていなかった。
山田の口調もだんだん荒くなってきているが
助手は怒らず、表情一つ変えなかった。
僕は大丈夫かな?
と思ったが、その矢先、
助手はニコって笑みを浮かべて
助「うるさ、、、、」
山「なんつった?」
私の声すら聞きとれないのか。
はぁ、それもそうか、私声小さすぎたし。
彼奴、完全頭に血が登ってるし。
当たり前か、ガン、飛ばしたりしたしな。
と言うかちゃんと聞いとけよ、
声小さいとか関係ないし、
勝手に頭に血が上りやがって。
仕方ない、うるさいから黙らせる?
それとも殺そうかな?
殺しても問題なさそう、
だけど先生に迷惑かかりそうだし今は。
そんなことよりあいつの態度、腹立つ。
手荒なやり方やけど、ちょっとぐらいいいよね?
助「うるせぇって言ってんだろ!
お前耳ついてねーのか?はぁ?
次、言葉を発したら殺す!
分かったな!!!!」
(因みに助手は普段敬語を使うが
怒った時や、心の中では大概呼び捨てだ。)
助手は下を向きブツブツと何かを呟きながらポケットに手を入れた。
「あーあ、お前が悪いんだ、
お前死にたいのか?」
と言いながら助手は、ポケットから拳銃を取り出した。
これは流石の山田も慌てていた。
「ちょっと落ち着こうや、
そんな物騒な物仕舞ってさ」
あんなん聞いてないて
いきなり拳銃とかやばいやろ、
・・・山田は完全呆然一方だ。
そんな山田の気持ちなど知る由もなく助手は、
両手で持った銃を天井向け
「山田さん殺しますよ?」
と捨て台詞を吐き発砲した。
銃声音は勿論、建物内に響き渡り、
先生の耳に入ってる事は言うまでもない。
助手は発砲した後も山田の前に仁王立ちしている。
銃の扱いに慣れてるって言う感じだ。
山田は、まさかポケットから拳銃が出てくるなんて思ってもなかった+発砲すると言う予想外の
行動に鳩が豆鉄砲食らったような表情をしていた。
流石の山田も黙りこんでいた。
しかし次の瞬間、
山田から言葉から信じられない言葉が飛び出した。
「申し訳ない、、、」
なんと山田は謝罪した。
これは恐らく防衛反応だろう、??
謝らなかったら命の危険を感じる程
山田にはインパクトがあったみたいだ?
最初からそうすれば良かったのに、
こんなんで腰を抜かすなんて。
私は鼻で笑いこの場を立ち去ろうとしたが、
先生と遭遇してしまった。
遭遇というより、あの音は先生の耳に入ってて当然、駆けつけるのも当たり前だ。
だが助手は先生にも睨めつけていた。
「先生これは彼奴が悪いので、
なんで彼奴が部屋に居るんですか?
気持ち悪い、キモいです」
助手の口から山田の悪口は止まらないため
先生は助手の片にポンと手を置いた。
「生野君、これ、君がやったの?」
助手は素直に顔を縦に振った。
すると先生は顔をにやけさせ、ニコニコしながら告げた。
「君が素直で良かったよ、
これ、今月の給料から天引きするからね、
因みにこの壁、防音機能もついてるから
かなり高いからね。
ついでに山田にも請求するよ。」
先生はそれを告げ帰ろうとしたが、
助手と山田は黙ってはなかった。
助手は、先生の白衣の裾を掴み、
帰れない状態に。
「お願いします、天引きだけはやめて下さい、
暮らしていけない、です。」
助手は今にも泣きそうになりながら
僕を説得していた。
てか、暮らしていけないって言い方
久しぶりに聞いたな。
普通は生活ができない、とか
そんな事は置いといて、
さっきまでの表情はどこに行った?
ウルウルした目、今にでも泣き出しそうな顔、さっきまでとはまるで別人。
それに比べて山田はと言うと、
「おい、なんでやねん、ありえへんやろ
俺被害者、分かる?
ひ・が・い・しゃ
なんで俺まで関係あんねん
逆に金、よこせ」
山田は自信満々な態度をしていた。
恐らく金を貰える、とでも思ってるいるの
だろう。
山田に関しては完全被害者だけど
こいつの存在理由が原因だから黒にしよう。
理不尽極まりないのは自分でも分かっていたが
山田の事があまり好きでない、
ことで請求する事に。
先「山田、お前が存在していたから
こんな事になった。
だからお前は黒、これ以上言うと
蜂の巣にするよ?」
山 「そんな横暴な、、、」
山田は言葉を失い、呆然し
冷め切った目で下を向き、
近くにあった椅子に座り込んでしまった。
ちょっと無茶苦茶だったかな?
まぁ、いいか、山田だし。
問題は今、俺の裾を掴んでいるこいつだ。
勿論僕は聞く耳を持たず
その場を去ろうとしたが裾を掴まれては
動けない。
どうしようと考えていたが数秒もしないうちに助手は裾から手を離した。
助手も諦めたのか?
と思っていたが、
山田の方に向かい胸ぐらを掴んでいた。
「お前がここに来なければこんな事に
なっていない!!!
全額お前が払え!!」
助手は山田に脅しにかかっていた。
山田は青ざめた顔で首を縦に振っていた。
「最初からそう言えよ、」
助手は完全おもちゃのように扱っていた。
あー、めんどくさすぎる。
お前が修理費全額払うのは当たり前なんだよ。
なんで私がお前なんかのために、
ふぅ、良かった。
山田が修理費を支払う事でこの場はなんとか丸く収った。
助手の機嫌もすっかり直りスキップしながらその場を立ち去った。
さっきの顔はなんだったんだ?
と思う僕達だった。
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