35.5日目 ノート×ノート×ノート
2-B教室、地理の授業にて。
〈渡部先生〉えー、今日の授業は自然環境についてだ。世界の環境問題に目を向けてみましょーう!世界の抱えている様々な環境問題を考えよう!という授業です、が......その前に......おい、酒田?
〈酒田〉はい?
〈渡部先生〉お前、今日は普通のノートとか文房具とか持ってきてるよな?
〈酒田〉はい!大丈夫ですよ!
と、酒田はノートをカバンから出した。
〈酒田〉はい!ノートです!
〈渡部先生〉なにがノートだよ!ちくしょう!ノートパソコンじょねえーかよ!
〈酒田〉え?ノート...ですよ?
〈渡部先生〉いや、たしかにノートって文字は入ってる。入ってるけど!パソコンじゃん!
〈酒田〉いえ、ノートですよ?これで授業を...
〈渡部先生〉いや!ノートパソコンじゃん!
〈渡部先生〉早くしまいなさい!ていうか君、パソコン苦手じゃなかった?
〈酒田〉あ...
このときこの場はしーんと、アニメのあの静かなワンシーンのような、空気になった。
酒田はなんとも言えない驚きを隠せない表情をして、鉛筆を指から落とした。
すると、そこに渡部先生は叫んだ。
〈渡部先生〉採用!
と、グッドをした。
〈酒田〉お、おう...
渡部先生は酒田に背を向けて注意をした。
〈渡部先生〉早くしまいなさい。授業を進める。あと、普通の文房具とノートを出しなさい
酒田は文房具とノートを出した。
渡部先生が振り向くと、そこにはノートと文房具が机に置かれていた。そう、ノートが。
〈渡部先生〉なんじゃそりゃあ!!
〈酒田〉え?ノートです。これは...先生の
〈渡部先生〉言わなくていい!お前はこう言いたいのだろう?その日産ノートというフィギュアはおれの車と一緒だと!しかも色も一緒!
渡部先生の車は日産のノートで、色はガーネットレッドだ。渡部先生は情熱の赤が好きなんだそうだ。
〈酒田〉おお!!正解です!
〈渡部先生〉いや~!どもとも!て、ちゃうわ!
〈酒田〉だめですか?
〈渡部先生〉だめだこりゃあ!
〈渡部先生〉おい!だれか!?世界の環境問題より、さきにこのアホの環境問題を考えてくれ!!
〈酒田〉気に入らないですか...せっかく買ってきたのに
〈渡部先生〉酒田......おまえ......
〈渡部先生〉気にいったわ!!そのノート!
〈渡部先生〉なんだよ!今日は!?
この日はあまり授業が進まなかったのいう。
渡部先生はいつも酒田のあほな行動に少し期待と感心と不安が混じりあっていた。
ー 35.5 ノート×ノート×ノート ー 終わり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます