35日目 市村先生の実態

市村先生は、職員室で寝ていた。市村先生は去年、生徒会長・柄本や芽果の元2-C担任の教師で、生物教師だ。今は、3-C担当だ。ちなみに柄本と芽果は3-Cだ。


普段は生物準備室が好きで生物準備室にいるのだが、今日は点検があり、職員室にいた。

2-Bの2限の授業がおわり、少し寝ていた。次の授業は、一星やスカイラーのいる2-Cの4限だ。


その場面を物理教師の長久保柚音先生が見ていた。


実は市村先生と物理教師の長久保先生はおさ馴染みだ。


長久保先生は昔から市村先生が好きだった。


長久保先生は、市村先生を追って同じ大学で物理教師の免許を修得し、同じ職場を受けた。


市村先生は、鈍感で女性経験もなく、生物のことしか頭にないため、こう言うことには鈍いのだ。


だが、なぜ長久保先生はこんないつもだらだらしていて、やる気のない、覇気もない、めんどくさがりやで、鈍感で生物にはこだわりが強い男、市村先生に惹かれたのだろうか。


長久保先生が市村先生を眺めていると、そこに生活デザイン担当教師の配藤先生がやってくる。


〈配藤先生〉お疲れ様です。長久保先生、市村先生


〈長久保先生〉あ、お疲れ様です!すみません、市村くん寝ちゃってて


〈配藤先生〉おお、そうでしたか。あれ?市村くん?二人とも仲がいいんですね


〈長久保先生〉ああ...じつは私と市村くんは幼馴染みなんです


〈配藤先生〉へー!それで!?あれ?そういえば、ふたりとも理系でしたね?なにか理由でも?


〈長久保先生〉私はたまたま物理が得意で、子供が好きだったからです。市村くんは元々、生物学者になりたいって小さい時から言ってましたけど、今は生物の教師を受けたみたいですね


〈配藤先生〉へー!そうだったんですね!あ、そうだ!これこの前近所の近くに和菓子屋があってみなさんに買ってきたので、よかったらどうぞ


〈長久保先生〉わああ!ありがとうございます!いただきます!


すると、和菓子と聴こえた瞬間、市村先生は勢いよく目を覚ました。赤い九尾の狐のチャクラを纏った男のように覚醒し、起きた。


〈市村先生〉和菓子やと!?


〈長久保先生〉あ、起きた


〈市村先生〉柚音!今!和菓子って!聴こえたぞ!どこだ!?


〈長久保先生〉え!?ちょっと!恥ずかしいからここで名前で呼ばないでよ!


市村先生は和菓子に興奮してキョロキョロしていた。


市村先生は、昔から生物と同じぐらいに和菓子が好きだった。特に笹羊羹が一番すきだ。

笹羊羹は京都・長岡京の有名な水羊羹和菓子だ。


今回、配藤先生は花元町というポップでかわいい丸い和菓子を買ってきた。いわゆる最中だ。これは横浜港の浮き玉がモチーフになっている。東京の和菓子屋でも売っているようだ。花元町には味が6種類ある。こしあん、ごま、よもぎ黒糖、つぶあん、あんず、青梅の6種類だ。

市村先生はこの花元町もすきだ。


〈配藤先生〉ふふふ、花元町を買ってきたわ。もしかして和菓子すきなの?


〈市村先生〉好きです!


市村先生は目をキラキラさせている。まわりキラキラと星のようなものが見える。


〈長久保先生〉市村先生は、和菓子大好きなんです。しかもこの花元町の食べ比べや目利きができるほどに


〈配藤先生〉それ!興味あります!今日は人数分しかないので、明日!明日、また買ってきます!見せてください!


〈長久保先生〉ええ~!


〈市村先生〉え?いいっすよ


なぜか配藤先生は市村先生の和菓子目利きに興味を抱き、明日また買ってくるそうだ。


市村先生は明日、すべて当てることはできるのか?


ー 35 市村先生の実態 ー おわり

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