第3話 初登校。異世界モノのお約束?
妹と共に家を出て、妹と別れた数分経った頃。小学生くらいの女の子がトラックの前に飛び出したのだ!
「危ない」
さすがにこの体が常人離れしているとはいえあれは間に合わない。なんてことを考えてると大柄な青年が女の子とトラックの前に飛び出し、跳ね飛ばされた!
・・・トラックが。
「大丈夫だった?怪我はない?」
と青年が問うも、女の子は何か恐ろしいものを見るような怯えた目を向けながら道路にへたり込んでしまい、それは女の子だけでなく、周りで見ていたほとんどの人が恐怖を宿した視線を向けていた。そんな中青年はトラックの方へ駆け寄り
「大丈夫でしたか?」
と、声をかけるなど、恐怖の視線を何とも思ってない様子だ。俺は彼のことを知っている。だから欠片も驚かない。彼は―
「
びっくりして振り返るとそこには、
「入学式以来ですね。同じクラスの
「あ、はい。よろしくお願いします・・・」
なんだこいつエスパーかよ!と一瞬思ったが俺がじっと見ていたので解説してくれたのだろう、多分。それにしても、朝っぱらからとんでもない事故に遭遇してしまったが、とりあえず学校に行くことにした。
ΔΔΔ
その後は特に事件などは無く、無事学校に着いた。俺は制服を着ているが、実はこの学校私服OKなので私服の生徒がちらほらいる。中には「絶対パジャマだろ」ってな格好の生徒も。そうして歩いていると―
「おい、チンタラしてんじゃねぇぞ女、邪魔なんだよ」
早速絡まれた。こんな事言うなんて恐らくA組だろう。
「おい聞いてんのか?アァ?」
「聞いてるけど、何か?」
「邪魔だっつってんだ。さっさと道開けろ」
「退く必要ある?道幅広いよ?」
正直なんで絡まれたのか全くわからない。絡みたかったのかな?
「うるせえ!俺は退けっつってんだ!殺すぞ」
おぉ怖い怖い(棒)
「煩いなぁ(ボソッ)はい、退いた。これでいい?」
「テメェ・・・。ムカついた、殺すわ」
そう言ってチンピラ男は殴りかかってきた。何なのこいつ。それにしても
「おっそ」
小説とかでよく言われるが実際にその立場に立ってみると、ホントに止まって見える。ただ、それに体が追いつくかは別の話・・・なんてこともなく、普通に避けられた。二発目は・・・まだ来ないのか。なら攻守交替だ。先ずは軽く殴っ
「ぐふぅ!?」
は?え?え、何こいつこんな弱いのにあんなイキってたの?
―いや、俺、というか十郷イツカはB組だ。それも何かに特化した訳でもないオールラウンダータイプ。つまり強いのだ。A組のやつが太刀打ち出来るほどヤワではないのだ。納得したところでチンピラ君に一言。
「まだ、やる?」
「オエッ・・・クソッ、覚えてやがれ!」
と、定番の捨て台詞を吐いて逃げていった。もうくんな。
―その後、俺がB組だと知ったチンピラ君は恐怖のあまり早退。それから2週間ほど休んだらしい。B組がここまで恐れられるのにはちゃんと理由があるんだよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます