第2話 がっこうへいこう

「うーむ、それにしてもかわいいな」

十郷イツカの身体になってからしばらく自分を見つめていたのだが、扉の開く音とともに―

「ただいまー、お姉ちゃん起きてるー?」

と、声が聞こえてきた。どうやら妹がいるようだ。とりあえず返事しておこう。

「うん、起きてる。おかえり」

「ただいま!お姉ちゃん夕飯どうする?」

妹の姿は何故か前世の俺の妹と同じだった。きっと大牙がそうしたのだろう。ちなみに結構美少女である(自慢)

―それはそうと、夕飯か。何か作るか?よし、作ろう。そうと決まればまずは冷蔵庫を見てみよう。

「なんか簡単なもの作る。出来るまでなんかしてて」

「はーい」

冷蔵庫の中身は・・・結構あるな。いろいろ作れそうだ。とりあえずアレでも作ろう。


ΔΔΔ


「できたよ」

「わぁすごい。回鍋肉ホイコーローだ!」

渾身の出来だ。前世での俺の得意料理だ。妹に喜んでもらえて何より、作った甲斐があったな。

「食べよ。いただきます」

「いただきまーす!」

相変わらず元気いっぱいだな。いいことだ(しみじみ)

「そういえば、お姉ちゃん明日から本格的に高校生だね。明日の準備とか出来てる?初日から遅刻なんてしないようにね!」

そうか。前世では高2だったが今は高1になるのか。ということは明日早速“波乱の世代”の面々をこの目で拝めるわけか。これは今から楽しみになってきたな。

―それからは食器を洗い、風呂に入ったりして寝た(女の子の身体に戸惑ったり妹が乱入してきたりして長風呂になったのはここだけの話)


ΔΔΔ


朝だ。飯を作ろう。朝に強いのは自慢できるのだ。みんなも朝に強くなろう。

―とりあえず、みそ汁作って漬物を出し、ご飯を茶碗に盛った。そろそろミカ(妹の名前)も起きてくるだろう。

「ふぁ~。お姉ちゃんおはよう。」

「おはよう、ミカ。朝ごはん出来てるよ」

「ん、いただきます」

「いただきます」

昨夜とは打って変わって元気がない。ミカは朝起きるのは早いが弱いのだ。まぁすぐ元気になるので気にすることもない。今は朝ごはんを食べよう。


ΔΔΔ


「それじゃ、いってk――」

「待ってお姉ちゃん私もいっしょに行く!」

「うわぁ!?びっくりした」

「えへへお姉ちゃんのいい匂い・・・」

ゾクッ・・・!

妹よ、君はいつからそんなことを言うようになってしまったんだ・・・。

―気を取り直して、学校へ行くとしよう。

「「行ってきます」」

――化け物と金持ちの高校…

私立伊弉諾宮高等学校シリツイザナギガミヤコウトウガッコウ”へ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る