第3話 自宅の被災より会社……。
夜勤と言ったが、自分は化学工場に勤めていた。
雇用の少ない地方の街、雇用が生まれるものならば地元民はどんな会社でも大喜び、縁がありその会社に自分は中途採用され4年目となっていた。
とにかく自分はその会社の整備、設備管理部門にいた。
高温高圧、薬品の扱う量がとにかく尋常な量では無い。
毒性が強く水や空気に触れると強酸のガスとなり、更に始末悪い事に可燃性でもある。
勤務先は自宅から3キロ足らず、過去事故も起こしていたので大規模な事故を起こしたら多分次は無いと言われていたので自宅の心配より、当時付き合っていた彼女よりも会社が心配だったのだ。
ブレーカーをいじっても電気が付かない…停電。
水は?
お?出る、風呂桶と洗濯機、バケツ、ペットボトルに水を貯めるよう話を母親に頼み会社に向かった。
「会社心配だから行ってくる。」母にそう言うと不安そうにしていたが、「ホントに気を付けて」と泣きそうな顔で言われた。
車に乗り、道路を走るとあちこちに大きなひびが入り、線路の遮断機か下りていたため迂回し会社に向かった。
会社は海より2キロ無いくらいの低い場所だった。
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