第十六考「三国志に学ぶ相関図」

皆さん、三国志はご存知だろうか。

恐らく知らない人の方が少ないだろう。


先日ある方のエッセイで、三国志が好きすぎて、実際の三国志の舞台、現地まで足を運んでおられる方の話を読ませてもらった。

私も元々三国志が好きで、図書館で正史まで読み漁りに行ったくらい、一時期は待っていた思い出がある。


実は三国志。 物語を作る上で、結構参考になる事が多い。 それは人間関係にしても勢力的にしても、三国志の型にはめると、だいたい面白くなるからだ。


三国志と言えば、魏呉蜀の三国が、それぞれの国を牽制し合い、時に味方で時に敵となり、複雑な関係を持って物語を楽しませてくれる。 二国の争いでは単調になりがちな戦いを、三国目と言うエッセンスを加える事で、物語の幅が広がり、さらに複雑な人間関係によって、昔から愛されていた物語になった歴史の一例だと私は思う。


三国志は、三国だけで留まらず、その前後にも国が出てくる。

国だけでなく勢力も多種多様あり、それぞれがそれぞれの思惑をもって物語を組み上げて行く、本当によく出来た歴史とは思えない物語だ。

結局三国全て統一する事なく滅びるのだが、その人間ドラマは本当に圧巻でしかない。


日本の歴史、戦国時代もそう言った意味では、多様な勢力がしのぎを削り、いろんなドラマを繰り広げているが、三国志ほどの分かりやすさがない。

それは、三国志の勢力図がわかりやすいからと言うのが大きいと思う。


この三国の関係、実は国でなく人で例える事も可能だ。

自分・敵・中立。 すごく簡単な構図なのだ。

物語として考えた時、敵と味方だけの物語よりも、敵と味方、どちらとも取れない存在が加わる事で、物語をより予測しずらい方向へともって行けるのだ。

恋愛での三角関係もそのエッセンスの一つではないだろうか。


相関図にした時、三国志はすごく分かりやすいのだ。

これは、どんな物語を作る上でも、必ず考えなければならないと私は考えている。

例えばドラマ一つとってもそうだ。 アニメでも物語があるゲームでもそう。 かならず相関図がある。

これを意識するのとしないのとで、人間ドラマのできが左右されると言ってもいいのではないだろうか。


つまり、物語を進めて行く上で、その大まかなくくりは、最低限必要な存在だと言える。 勿論その大まかなくくりは増えても問題はないだろうが、増えれば増える程複雑化する事を念頭に置き、分かりやすさとのバランスも必要になってくるだろう。


それを踏まえ、今一度、自分の作品を見つめ直して欲しい。

単調な人間関係だと思っているなら、そう言ったエッセンスを取り入れる事で大分変わってくるはずだ。

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