第一考「お笑いの神様からの言葉。そこから学ぶ事もある」
いきなりですが、小説を書く上で、関係あるのかないのか分からないが、心意気的なところからまずは書いて行こうと思う。
本当はこの話、七考くらいの時に書いてたのを、投稿するにあたり、一話に持ってこさせて貰った。
皆さんは志村けんと言うコメディアンをご存知だろうか。
恐らく知らないという人の方が圧倒的に少ないはずだ。
国民的コメディアン。 志村けん さんが急死してから、暫くYAHOOのニュースは志村さんのニュース一色になった事からも、その事が覗える。
正直私も、子供の頃から志村さんの笑いを見て育ってきた。
誰の言葉だったか…「国民全員が遺族」 自分もそんな一人なのだと実感する。
そして、あるYAHOOニュースが目に止まった。
――「忘れられないあの事件」愛弟子が初告白――
そうタイトルにあり、その中に志村さんの偉大さが存分に書かれていた。
その中に、私たち小説を書く人にとっても、関係がある言葉があったので、抜粋してここに載せようと思います。
・・・・・・・・・・以下抜粋・・・・・・・・・・
「現場で志村さんから目を離したときはよく叱られました。志村さんがタバコを吸いたいときに用意が遅れたり、汗をかいたときにタオルの準備ができていないと、『オレが今、何を思って、何を考えているか読めよ。芸人は目の前の1人の気持ちを分からなくて、テレビの向こう側にいる何百万、何千万人の視聴者の気持ちがわかるわけないだろう』と注意されました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これを読んだ時、確かにそうだなと思いました。
皆さん、小説を書くとき、何を考えて小説を書かれて居ますか?
「自分の物語を読んで欲しいから」
「他人からの反応が嬉しいから」
「ただ、書くのが楽しいから」
人それぞれあると思います。
では、「何の為に書いてるんですか?」と質問に付け加えます。
そうした時、あなたなら何て答えますか?
その答えは、自分の為の答えになっていませんか?
勿論廻りまわって、自分の為なんですが、その間に読み手の気持ちを考えた人が、いったい何人居るでしょう。
物語は自分の為でなく、読んでくれる人に喜んで貰う為、笑顔にする為、楽しんでもらう為だと思いませんか?
勿論自分が楽しむ為だ、共感できる奴だけ一緒に楽しめばいい。
それも良いでしょう。 だったら他人の反応に一喜一憂せずにそのまま突き進んでください。 もしかしたらそれが万人に受けるかもしれない。 きっと中にはそう言う人も居るでしょう。
でも、せっかく書くんだから、自分の作品を読んで喜んでもらえたら、自分も嬉しくならないですか? そういう事が物語りを創る上で一番大事だと、私は思うんです。
読まれないから宣伝する。 続けて読まれないから読まれるまで宣伝する。
読んでほしい。感想ほしい。
勿論それは書き手なら誰でも思う事です。 ではその読まれていない、読まれ続けない作品。 自分で見直しましたか? 1話からの継続率が低いと言う事は、宣伝で目に止まらないのが原因ではない。 その作品が読み手の心に届いてないからです。
読み手に届けばきっと続きを読んでくれて、感想もくれるかもしれない。 反響を呼べばもっと多くの人の目にとまるかもしれない。
志村さんの言う様に、目の前の人の気持ち、私たち創作家に言い換えれば、読んだ人の気持ちが分からなければ、その後に続く、ましてや他人がその作品を読んだ人達の気持ちが分かるはずないんです。
それを幾ら宣伝したところで、読まれないものは読まれないんです。
作品を書き上げた時。 あなたは一人の観客として、自分の作品を楽しめて居るのでしょうか? その後の展開が面白いから最初なんてどうでも良いとか思ってませんか? 「この始まり方が面白いんだ」と胸を張って言える作品になっていますか?
読み手の心を忘れた書き手は、つまらない物しか作れないと思いますよ。
だって、読み手の気持ちが分からないんだから。
勿論技術的、センス的な面で、上手く行かないのは仕方ないと思います。 人間誰しも得手不得手がありますから。 でも作品を書く以上、読んでくれる人の事を第一に考えないと、駄目だと思うんです。
志村さんは、形は違えど、そんなテレビの向こうの、何百万、何千万人の視聴者の気持ちに応えた、本当に偉大なコメディアンだと思います。
だからあれだけ多くの人に偲ばれている訳です。
まぁ、正直それが上手く出来たら苦労しない訳ですが……(苦笑)
人の気持ちと言うのは千差万別、十人十色なんですから。 でもその内の一人でも多く、心を掴む努力はするべきだと思うんです。 できるできないは別にして。
そう言う私もできているとは思ってません。
でも、「こう言う展開にしたら読み手は離れて行くかもしれないな」 だとか、「こう言う展開にしたら喜んでもらえるだろうか」だとか、「この始まり方はハードルが高いから止めた方がいいな」だとか、常に考えながら作品を書いてます。 離れて行くと分かって居ても、その後の展開の矛盾を無くす為には、仕方がない事もあったりします。 自分の技量ではそこまでカバーできてるとは思ってませんので…
今まさに書いている途中なんですが、「シュエの軌跡」シリーズ。 これ作者的には早く終わらせたいんです。 みんな主人公ロゼとアイエル様の話が読みたいはずだから。 分かっていても、布石を打つ為に書かざるを得なかった。 本当にそう言った意味では小説を書くのって難しい。
でも、根幹にあるのは一人でも多くの人に「楽しんで貰いたい」と言う気持ち。
上手く言い回しが出来ていなかったり、誤字脱字は本当に申し訳ありません! と平謝りしながらでも、楽しんでもらうを前提に、試行錯誤して書いてます。
どうでしょうか?
私はこの志村さんの言葉を読んだ時、これが物作りをする上で、もっとも必要な事だと実感しました。
志村さんはコメディアンとして、テレビの向こうのお客さんを喜ばせ続け、人の心を掴んだ。
私たち物書きは、文章の向こう側のお客さんと言う存在を喜ばせる、その心を掴む努力をする。
そしてその心を多く掴んだ人が、プロの作家になったり、さらにはアニメ化やドラマ化と言った道へと繋がるんだと思うんです。
エンターテイメントは、常に他人の為にあるんです。
それを再認識させてくれる、凄く為になる言葉。 私はここで紹介せずには居られませんでした。
だからコレを読んだ後、もう一度自分の作品を見つめ直して見て下さい。
きっとそこまで考えて居なかった人は、色々な事が見えてくるかもしれません。
私もまだまだですが、お互いに頑張りましょう。
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