第2話 生活

 翌週、友人から電話でハイエースが準備できたと知らされた。持って行くか取りに行くか?

 うん、取りに行こう。


 販売店に行くと、前とは違う綺麗なお姉さんが和かに対応してくれた。

 所長さんなる人が出て来て、最初な対応の不備を謝ってくれたが、もうその事は良いです。


 今後の対応は、その所長さんが担当するらしい。

 ハイエースは黒の特別仕様車、8ナンバーにして車椅子を固定出来る様になっている。

 親の病院への送り迎えがこれで大分楽になる。

 リアシートもスライド出来る様にしてもらった。


 一般には、ここ迄の仕様では販売して無いらしく、本当に特別仕様にしてくれたんだね。


 支払いは、いつもニコニコ現金払い。

 既に銀行に振り込んであるので、keyを受取ってありがとうございました〜!


 帰りにスタンドに寄って燃料を入れる。

 ディーゼルなので軽油はガソリンより少し安い。

 遠回りして家に帰る。

 やっぱり新車は嬉しい!


 自分で買って置いた装備品を自分で取り付ける。

 ソーラー充電器やドライブレコーダー、ナビやETCやオートクルーズkitの取付け。

 ハンドルはランクル用を移植して、室内灯もLEDに交換して、夜には作業は終わった。


 食事に行きがてら試運転。

 うん、ナビもちゃんと動いてるし、オートクルーズもOK!快適に夜のドライブを楽しんだ‥‥1人だけどね。


 明日は小太郎を迎えに行くので、今日全部終わってちょうど良かった。

 家に帰って、小太郎グッズを積み込む。

 リアシートを一番前に寄せて、犬用ハンモックを掛ける。首輪やリード、水のペットボトルやオヤツまで、取り敢えずそんなもんかな。

 小太郎、待っててな!


 翌日、キレイに晴れた!

 小太郎に再会。覚えててくれた様で、尻尾振って喜んでるみたいだ!忘れられてたら悲しかったね。

 手続きをして、小太郎に新しい首輪とリードを付ける。


「それではお世話になりました。」


 職員さんに挨拶をしてから、

「小太郎、行こうか?」


「わん!」


 トイレ用の袋なんかを持って近くを散歩する。

 30分位歩いてトイレを済ましてから車に戻る。


「小太郎。車に乗るときは足を拭くんだぞ。」


 車には抱っこして乗せてあげる。

 初めての車でおっかなびっくりだが、ハンモックの中に小太郎が使ってた毛布を入れてあるので、匂いがするからか少し安心したようだ。

 途中、トイレで困って漏らしても良いように周囲にはペットシーツを張ってある。

 でも、しない様に頼むぞ!新車だからな!


 ほんの1時間くらいのドライブだが、車酔いも無い様だし、車は大丈夫そうだな。

 家に付いてまた抱っこして家に入れてあげる。

 周囲の匂いをフンフンと嗅ぎまわって、イキナリおしっこをした。


「小太郎!ダメだ!」


 小太郎がビクッとする。

 直ぐに抱えて、トイレにするゲージに連れて行く。


「小太郎。ここがトイレだぞ。ここならシーしても良いからな。」


 おしっこを拭きとったウェットティッシュをトイレに置く。

 その匂いを嗅いで、此処なら良いの?と首をかしげている。

 拭いた所は臭い消しのスプレーをして、ワックスを掛け直す。


 暫く部屋をうろうろした後、トイレに行ってシーとする。


「小太郎。偉いな!もう覚えたのか?偉いぞ!」


 撫で繰り回して褒める。‥‥親ばかである。

 後はおもちゃで遊んだり、オヤツでお手やオカワリ、お座り、伏せなどを教える。

 まだ全然できないが少しずつ教えようと思う‥‥当たり前である。


 夕方になって近所を散歩してみる。

 慣れて無い所は怖いかな?ゆっくりと近所を回る。

 時折見上げて来るのが可愛い。

 ちゃんとウンコも拾ってビニール袋に入れる。

 ロールになっていてバラけない様にケースに入ったビニール袋。

 100均でこんな便利な物まで売ってるんだね。

 ウンコもしたし、帰ってご飯にしようか?


 ドックフードは何が好きか分からないので、小分けになってる少量のを種類多く買ってきた。

 センターと同じご飯じゃ味気ないかな?と思ったのだ。


 結果、こいつ何でも食うな。

 好き嫌い言わない良い子ですね~!わしゃわしゃ撫でる。

 後で聞いたら、基本的に同じご飯が良いらしい‥‥説明忘れてたよ。


 問題は、会社行ってる間だな。

 一人で留守番出来るかな?‥‥‥でもしょうがないよな。


 朝、早起きして散歩行って、ご飯を上げてトイレの掃除もしておく。


「よし、小太郎。お座りして聞いてくれ。」


 チョコンとお座りする姿が可愛くて悶えそうだ。


「俺はこれから仕事に行ってくるからな。一人でお留守番できるか?」


 ん?と小首をかしげる姿が愛らしくて悶えてしまう!


 抱きしめて撫で回してから家を出る。

 物凄く後ろ髪を引かれるが、働かざる者食うべからず!

 俺が食えなくなったら小太郎も食えなくなるんだ!そんな訳にはイカン!

 いつも以上にバリバリ動く俺が居た。


 定時になってサッと帰る。

 車通勤を申請すれば通勤時間短縮できるかな?でも渋滞するよな?

 車なら一緒に!‥‥そんな訳には行かないなぁ。

 あれこれと考えながら帰宅すると‥‥


「ワンワンワン!!」


 尻尾振ってお出迎えの小太郎が居た!

 思わず、うるっと来てしまった。

 おしっこの失敗は‥‥あった。

 今更なんだけど、匂いを嗅がせて此処はダメだよって教えて置いた。

 トイレの中には、ウンコがころんと。

 そうか、ウンコしたから他でおしっこしちゃったんだな。


「小太郎!トイレでウンコした後は、此処ならおしっこしても良いぞ。」


 それは‥‥お風呂場。苦肉の策ですね。ここならお湯で流せるし洗うのも簡単だからね。一応ペットシーツは張って置こうと思う。


 そうやって、一つ一つの事を解決しながら、小太郎との生活も慣れて行った。


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