転勤。
しかし、手放しで喜べない理由があった。付き合って三年になる、彼氏がいたからである。


文章うまく、読みやすいです。


ラストの言葉が印象に残って、好きです。


遠距離恋愛中のカップルは必見ですね。

転勤を機に、彼と別れることになった主人公・いのり。
彼は優しいけれど、感情表現の乏しい人。

嫌いになったわけじゃない。
ただ、そこまではっきりした関係になっていなかっただけ。
距離には勝てないと、思っただけ。

一度は離れた二人だけど、二人の心の距離が思っていたよりも近かったことに、徐々に気づき始めます。
メールのやりとりが、二人の距離を近づけていきます。
あるとき、いのりはそれまでの自分からは考えられないような言葉を送ってしまいますが、彼からの反応は――

いのりの心の機微がダイレクトに伝わってきて、読者の感情を揺さぶります。
ぜひ、ひとときの、心が大きく動く恋愛を楽しんでみてください。

多くは語れません。
そのくらい感動しています。

応援したくなる二人なのです。
人は恋をします、別れることもあるし、同じ道を歩くかもしれない、そして別れてはいけない運命の人もいるのです。

何だか幸せな気持ちになれる素敵な物語です。

　ちょっぴり大人の恋愛物語……ですが、性的描写はなく寧ろ心情のみで繊細な演出を果たした秀作です。

　相手の気持ちがわからずヤキモキすると同時に、もっと『こうして欲しい』と願う姿は実にリアリティーがあったと思います。

　離れて気付く正直な気持ち、そして穏やかで優しいラストへと繋がる流れは巧みの一言。結末に喜ぶ自分がいました。

　やっぱりハッピーエンドは素晴らしいですね。

彼女はきっと普段から感情より思考を優先させることが出来る人なのでしょう。状況整理をして、その時に一番正しいとされる判断ができる。彼との三年という月日も、そんな風に慎重に築いてきたのかもしれません。
だからこそ、初めて感情が思考を越えてしまった時に不安を感じて、後悔をして。自分でも自分がよくわからなくなって戸惑う。答えを知りたくない、出来るならなかった事に……そんな心の揺れ動く様子がとても丁寧に描かれていて素敵でした。
そして初めて感情に素直になった時。私には、ここからが本当の恋の始まりのようにも思えました。