【17】 堕天使

 オムツ、じゃなくて……ムーニー達はガチの雑魚なので、村ごと城下の最も安全な場所に転送した。

 鍛えないことには使い物にならな過ぎるのでね……

 誰でも彼でも眷属にはしない。

 言い方は悪いが使えない者は住人として生きてくれればいい。

 そう健汰は考えている。


『まぁアイツらはソールが何とかするだろ』


 結構丸投げ感はあるが、それだけ周りが頼りになるってことで任せている。

 って事でソールも一緒に転送したのだ。

 ウランもラスクの消耗が激しいので先に帰した。

 消耗してるなら回復してやれよ!

 って思ったかもしれないが、それはラスクの為にならないのでしない。


 傷は癒しても体力回復までしてたら強くなれないからね。

 だが流石に歩いて帰れと言うのは酷なので転送してあげた。

 だって最近パワハラ問題とか厳しいじゃん?

 一応アイツらの上司みたいなもんだし……そこは気を使っているつもりなんだよ。それに、アイツらの仲を邪魔したくないってのも実はある。


 偵察部隊の犬人族から通信が入る。

 さっき殺した人間が動きだし町を攻撃しているらしい……


『やっぱりな。紅羅真が殺った相手は手応えがなかった……

 中身が空っぽの筒を斬った感覚だったもんなぁー』


 健汰は戦う前から気付いていた。

 健汰の目には動きと色に違和感があったのだ。

 色とは……生ある者の心臓は青く光っているが、奴らは灰色に近い色をしていた。


 策略の予感がしたので魂が抜け落ちてる100人は沈黙させた。

 残りはガチで殺ったんだけどね……

 ルドラが食いたいと言った時は人間を食わせた。

 今動いてるのは、遠い昔に死んでいて何者かに操られている……。


『主よ、いかがいたしますか?』


『静観だ。アイツらは誰でも襲う』


【健汰の独り言】

 そういやゲイトが言ってたな……5番目の愚かな神の話。

 側近に天使を召喚し堕天にして、そいつに人間を監視させていたと。5番目の箱庭遊びの道具になった2つの種族が【天使と人間】問題は天使の居場所と、堕天使と人間の関わりか……

 今襲っている場所は貴族の屋敷?かな。


 操られている者達は屋敷を崩壊させ貴族と貴族の家族を殺し自分達の役目を終えたように倒れた。

 その時、真っ黒の羽を持った堕天使が登場……

 顔は鬼イケメン……

 何かを持ち去って直ぐに消えた。


『ルドラ帰るぞ……もういい。堕天と国王が繋がっている事がわかっただけで収穫は十分だ。持っていったものが気になるが今は放置でいいだろう。当面俺たちが注意しないといけないのは堕天と人間だ』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る