【16】ライオン……弱っ!

 凄い厳つい顔と体型。百獣の王とはよく言ったものだ。

 名前もかっこいいよね?

 獣人族!これぞ、まさに!って感じの種族名。

 そして時が流れ、開戦間近に迫っていた。


『始まるな』


 仕掛けたのは人間だった。

 一気に獣人族に攻撃する。

 獣人族は攻撃に転じるのかと見ていたが、30秒後に壊滅した。


『え?

 よっわ!!

 何これ!ライオンだよね?

 いやいやルドラの先祖正解じゃん!

 先祖の事責めて申し訳なかったよ!まじで!

 だが、そんな事は最早どうでもいい!肉にされる前に此方に転送しなくては……』


 健汰はあまりの展開に、この世界に来て初めて焦っていた。


『蘇生と超高速回復!』


 一瞬で生き返ったので話を聞くことにした。


『話を聞く前に……おまら弱すぎだろ!

 その見た目とは裏腹に!

 リーダーはどいつだ!』


『私がリーダーでございます。

 名を【ムーニー】と言います』


『オムツみたいな名前だな!

 くっそかわいい名前と、見た目が合ってねーよ!

 んで!?なんで人間と、戦ってたんだ?』


『それが我々の住む場所には、酒のつまみになる肉が豊富にあるからとか……

 我々もそれが種族の生きる糧なので戦うことになったのですが……

 紙一重でした……すみません』


『紙一重!?

 秒殺じゃねーか!

 アイツら国とか、なんとかは言ってなかったか?』


『聞いてはおりません』


『何かと襲う理由が胸くそ悪いなここの人間ゴミどもは!

 話は理解した。

 ソール、ウラン俺が攻撃した後の残りを殺れ。

 敢えて何人か残すぞ、ラスクの為にね。

 ラスクはウランに着いていきなさい。


『了解!』


『畏まりました!』


『ルドラはコイツらを守ってやれ。

 さて、2%くらいの力でいいかな……紅羅真、陣を出したら殺れ』


 今まで誰も見たことのない大きさの陣を出し、紅羅真が【斬】と一言放っただけで、20人位を残し全員の首が吹っ飛んだ。


『よし丁度いい数が残ったな。

 ソール、ウラン!ラスクを全力援護だ!』


 思ってる以上に戦えているが隙も多かった。

 そこはソールのリカバリーが素晴らしい。


 ウランは戦いながらマンツーマンで教えてた。

 ぶっちゃけ個人の武だけで言ったら、ソールに敵う奴はルドラくらいじゃないかな?

 なのでソールが無茶くそ強いと思って貰って大丈夫だ。

 ラスクがそろそろバテて来たので、ウランがソールに目で合図し

 ソール残った10人位を切り捨てた。


『今回は敢えて全滅させてみた。

 人間の死体はそのまま放置しておけ、これで事態は動くだろう。

 ……もう人間との和睦は無理だろうなー……

 人間はやっぱりどの世界でもこうなるんだよなー。

 同じ元人間としては情けない限りだ。

 だからこそ、この連鎖は俺が切らないとな』


『放置するのですか?

 空腹なのですが少しだけ食べても?』


『じゃー100体だけな。

 それと、ムーニー!

 おまえらこれからゴリゴリ鍛えるから覚悟しなさい。

 ソールに一任する。任せたぞソール!』


『了解した。武闘派集団を作れば良いのだな?』


『そうだなリザードマンとの組み合わせで、お前専門の部隊を作ってくれ。任せたぞ』


 使えるレベルになれば配置したい場所があるからな、よし戻るかな。

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