【11】パン太郎君の愉快話じゃない

 ソールの結婚おめでとうパーティーと、新しい神の誕生の宴が開かれていた。

 メインはあくまでもソールの披露宴ですよ。

 あの後、何があったのかは知らないけど、ソールが、おしとやかになってた……


 理想を求めた結果……自分がなれて良かったな!

 密かに健汰は心のなかで思ったのである。


 宴も大盛況で、ソールは羽目を外しそうになったときにメレンが笑顔で……


『旦那様……また、お話が必要ですか?』


『あ、すみません……勘弁してください……』


 健汰は笑いながら、これで少しはましになるだろう……と思った。


 ウランはガクガク震えながら……

『召喚怖い……召喚怖い……召喚怖い……』

 と、まるで呪文の様に唱えていた。


 まぁウランに関しては、脳内ビッチではあるが、育った環境の問題もある。

 まだ子供なので俺からのお叱りを素直に聞いていたので、まだ許容できる。今のところはね……


 ただ、こういう奴が意外と素敵な奥さんになったりもするのが、世間の謎部分だ。


 ソールは手に負えない状況だった。

 というより産まれながらのアホだったので嫁制裁に切り替えた。

 愛し合ってはいるみたいなので……まぁいいんじゃない?


 眷属だし俺が神になったことで、永遠に近い寿命になったし、いい薬だね。

 俺の元には<眷属><支配種族><友><何かよく知らん奴>色んな者が挨拶にきた。

 皆はドンチャン騒ぎしている。


 俺は少し風に当たりたくなったので1人天守に行きベランダに出て腰掛け、俺はため息混じりに少し笑い、物思いに耽っていた。


『まだ半年しか経ってないのに色々起きたな。

 出会いはコッペとかいう妖精だったな……

 あいつ元気にしてるかな?

 その後は頭悪いリザードマンに出会ったり、まぁ色々あったな……

 いや、ありすぎだけどな!

 生きてる意味すらなかった俺が、今では神か……

 でもまだ、神としては何も出来ていないから、これからだな……

 ソールの結婚に貢献したぐらいだからなー。

 ただ今は今少し風に当たっていたい……

 こんなに穏やかで優しい風は経験したことがない。

 本当に素敵な場所だ……必ずいい形にしないとね』


『殿、私たちもご一緒しても宜しいですか?』


『我もご一緒しても宜しいですか?』


『ああ、勿論いいよ。

 俺はこれから、もしかしたら君達の願いとは違う形に進むかもしれない。

 そこは許してほしい』


 リコピンとルドラが声を揃えて言う。


『何をおっしゃいますか!如何なる決断でも我々は殿と供に!』


『メレン!メレン!もう許してくれ!!もうしないからー!!』


『ありがとな。

 しっかし、うるせーなー!あいつは!』


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