第43話 カウントダウン
日に日に衰えていく身体はもう何も出来なくなっていた。
1月に入り結衣は入試があり、春樹は専門学校からの課題、康太は一人暮らしの準備とみんなそれぞれ忙しくしてた。
仁美も見舞いに何度も来てくれた。
仁美には余命のことを言っていなかった為最初に来てくれた時に話した。
仁美は気持ちを整理したいとすぐに帰ったが次の日はいつも通りの仁美だった。
そして、仁美から入試を無事終えたと連絡来たのは1月が終わる頃。
結衣と仁美の結果が出るのは3月。それまで私の身体は持たないだろう。
死へのカウントダウンはすぐそこまで来ていた。
そして、そのまま冬休みが明けまた日常をみんなは送る。
そこに私はいないが残り僅かな時間、青春したい。
女子高校生としてそう思うのは当たり前で、でもその当たり前ができない悔しさはいつもより大きかった。
不安なのだ。目の前に迫ってくる『死』が。
それを自分自身が実感してしまっていることが。
最近は死について考えることが増えた。
死ぬ前は?
死ぬ時は?
死んだ後は?
考えれば考えるほど不安になり現実逃避をするかのようにずっと音楽を聴く。
音楽は人を笑顔にしてくれる。
だけど私は笑顔になれなかった。
残りあと何日?
この日から死ぬまで数えることにした。
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