第39話 大丈夫
しばらくして落ち着いた結衣を連れて近くレストランに入った。
「何食べる!?これ美味しそうだよ!?」
「これがいい…。」
結が指さしたのは高そうな肉。
「結衣…やるな…。」
「すみませーん。」
「え!?私決まってない!!」
「春ちゃんもこれだよね。」
笑顔で指を指す結衣は少し怖かった。
「えーと、このトリプルステーキセット2つお願いします。」
「あ、えと、こちら女性の方には少し多いかもしれませんが大丈夫でしょうか?」
店員も思わず確認してきた。
「大丈夫です。お願いします。」
「かしこまりました。トリプルステーキセットが2つ、以上で宜しかったですか?」
「はい。」
「こちらドリンクが飲み放題となっていますのでベルでお呼びください。」
店員が去ったのを見届け結衣に詰め寄った。
「で、何があったの?」
「言った通り、康太と別れたの。」
「なんでよ。この間までいい感じだったじゃん。」
「私さぁ、本当にやりたいことが分からなくて、康太がいる大学なら康太もいるしいいかなって思ってたんだよね。」
「うん。」
「だからなのか、最近康太のせいにする事が多かったの。成績上がらないのは本当に行きたい大学じゃないから。康太が行くって言ったから私も行こうってなったんじゃんって。そしたら康太がさ、じゃあ俺はお前に合わせた大学に行こうか?ってさ。冗談でも言われたのが悔しくて、喧嘩しちゃった。」
「なるほど。」
「喧嘩の時ついカッとなって康太がいるから私は合わせなきゃいけなくなってプレッシャーだ。って言っちゃってさ、そしたら別れようだって。そこで嫌って言えなかった。」
「しばらく距離おこうと思ったの?」
「うん。別れた方がお互いいいかなって。」
「そっか…。」
「トリプルステーキお待たせしました〜。」
なんと空気の読めるステーキです事。
2人で勢いよくステーキにかぶりつく。
肉の旨みが口の中で広がる。
「うんまぁ…」
「美味しぃ〜。」
結衣も幸せそうな顔をしてステーキを頬張っていた。
康太のことは今は忘れて、食べることで幸せを感じていた私達は、家に帰って2人してお腹を壊した報告をしたのはいい思い出になった。
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