第32話 再結成

1度みんなで集まることになり私の家のリビングのソファに3人が座って私を見下ろしている。


「私もそっちに行こうかな…。」


「結衣はこっちでいいんだよ。」


結衣が罪悪感なのか立ち上がって私の横に来ようとしたが、康太によって腕を引かれ止められる。


「あの…、ここ私の家…。」


「で?直接俺たちに言うことあるよな?」


「すみませんでしたァ…。」


「何が?」


「勝手に何でも決めちゃって。」


「わかってんじゃねーか。」


康太を見ると顔は笑っているものの、目が完全に笑ってなかった。


「康太、もういいだろ。春もちゃんとわかっただろ?」


「春樹ぃー。好きー。」


「知ってる。」


「じゃあ明日デートしよー。」


「あぁ、わかっ……。今なんて言った?」


「明日デートしよー。」


少し前のセリフを同じトーンで言うと春樹は途端に顔を赤くした。


「それってつまり…。」


「春樹好きって言ってくれたよね?あれってそういう意味なんだよね!?今更なしとか無しだよ!?」


「お前ら…、今やることじゃねーだろ!」


「春…、俺はお前のこと幸せにするよ…。」


「春樹…、イケメン…。」


「急にイチャイチャしだすじゃん…。春ちゃん…。私の事は遊びだったのね…。」


「ごめん結衣…。」


「話をそらすなよ。まぁ付き合ったんならおめでとう。で、俺らは来月のライブはどうしたらいいんだよ。」


「あ、それが、新曲がもうひとつ欲しくて…。」


「アホだなお前。」


「わかってるよ!!時間もないし難しいのはわかってる!けど、みんなでやるんだったら新曲欲しい!」


「と言うと思って常に曲のストックはあるから、あとは歌詞つけるだけだ。」


「春ちゃん…。やろ?」


結衣は私の前に座り手を取って優しく微笑んだ。


「天使っ!!うん!4人でやろう!ちょっと思ったより早いけど、再結成だ!!歌詞は1週間で作る!本番まであと1ヶ月、曲順送るから2週間でかんぺきにしといてね。それじゃあ、焼肉行きますか!」


立ち上がり勢いよく言った瞬間、右手と左足に痺れが訪れ、片膝着くような形で崩れ落ちた。


「春ちゃん!?」


いきなり倒れた私を結衣が支えてくれる。


「ごめん。長い間正座してたから足痺れちゃった。」


笑って誤魔化すもみんな表情がとても暗くなっていた。


大丈夫と言いたい。3人とも勘づいていると知っているからこそ、そんなこといえる訳がなかった。


しばらく静かな時間が流れ足の痺れが治まった。


「よし!もう行ける!さぁ!食べに行くぞー!!肉!!」


元気の無い3人を無理やり立たせ家を出る。

その後何とか調子は戻った3人お肉を頬張って次の日おなかを壊したらしい。

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