第2話 もっと

幸村君·····。あなたは天使ですかコンチキショー!顔よし性格よしとか神かよ。もう神だろ。

「ありがとう!!」

「小林さん、もういいわ。幸村君に免じて許しましょう。ったくもう、あなたは本当に妄想ばっかりするんだから·····。」

みんなが私を見て笑う。

「すみません·····。」

「気にすんなよっ。俺はお前の妄想、悪いことじゃないと思うけどな(笑)」

幸村君っ。好きっっ!

なんて私に度胸があったら伝えたい。はあ、私は妄想や夢でしかあなたに告白できないしあなたとまともに話せない。それでも私はあなたが好きよ。今までも、これからも。


帰りに去年同じクラスだった男子、翔が私を訪ねてきた。

「小林、今日一緒に帰らね??」

「いいけど、なんで?」

「なんでもいいだろっ。」

私を誘うだなんて、まさか告白?!とか思いそうになったけど期待はあまりしてない。今までもこんなシチュエーションあったけど実際ちがった。みんな美結のことで相談しにくるんだ。私のことを好きな人なんてこのまま一生でてきてくれないんじゃないかな。


しとしとと降り注ぐ雨は私と翔の髪をしっとりと湿らしていく。

「一緒に帰ろうって言う割に全然相談して来ないじゃない。もうすぐ翔の家着いちゃうよ。」

「·····。」

はいはい、シカトですか。なによ、相談だけにそんなに緊張するもんなの?こんな無言の帰りなんだったら幸村君のこと尾行して眺めてる方が良かったわ。

「·····あのさ。」

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