こっちだよ、

@YUKALI

第1話 夢みたい

「俺さ、ずっと前からお前が好きだった。付き合ってくれませんか。」

 私、小林春。只今、一生の運を使い果たしております。

 ずっと片思いしていた幸村真くん。なんと彼から告白されたのです!

「もちろん!喜んでお付き合いさせて頂きます·····なんて·····。」

 みんなが私を見て笑っている。ん?これまさか·····


 はい、夢オチね。別にこんくらいじゃ私は驚かないさ。頻繁に見てるからね。

 今日もまた憂鬱な1日が始まる。普通に起きて(起き方は普通じゃないが)、普通に学校行って、普通に授業受けて、普通に友達と遊んで、普通に帰って普通に寝る。そんだけだよ。幸村君のことはほんとに好きだけど彼はモテる子だし私の恋は叶うはずもない。


「はあ·····私きっと、こうやって普通に生きて独り身で死んでいくんだわ·····。恋したい。」

「元気だしなよ。私はこれからもハルの味方だよ。」

 美結ぅ·····。なんていい子なんだぁ。

「流石私の親友だよぉ〜。だいすきぃぃ。」

 こんな私のくだらない話に嫌な顔せずずっと付き合ってくれて本当に良い奴だ。こんないい子だから彼氏がいる。有名な俳優に似た男の子さ。まあ美結は可愛いからな、分からんでもないんだ。だけど·····私だって彼氏が欲しい。出来れば幸村君で·····。

 私はこんなに幸村君幸村君言ってるけど、こう見えて出会って1週間。もちろん彼に私のいい所を見つけて貰えるでもなく、ただただ目で追ってる。そんな虚しい毎日。はあ。素敵なことが怒ったりしないかしら。

「_______さん。____林さん。小林さん!」

「はいっ!!お呼びでしょうか。」

「またあなた妄想していらしたのね。そろそろしっかりしなさい。ここの問題答えて。」

 やばいどうしよ。聞いてなかったぁ。


 ___トントン____


「この答え、合ってるはずだから俺のノート見ていいよ。」

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