第7話 文生と人生の分岐点。

 ―文生脳内会議室―


(さて、どうしましょう。選択肢は2つ。イタリアへ行くか。このまま、ここに留まるか。メリットとデメリットを挙げていくわね。)


{うん。わかった。}


「イタリアへ言った場合の最大のメリットは断然、億貯金を海外に移動出きること。


 私名義の口座は必ず作らなければならないし海外のメガバンクに口座さえ作れればネットで金額の大部分を海外バンクに移すのは可能と。

 有名になって稼ぎ出せれば日本の私名義の口座に大きな金額が入っていても問題ないしね。

 そうなれば、両親にも堂々と楽させてあげられるし、今の爆弾お抱え状態から目を離させる事が可能て所かしらね。


 恐らくだけど、前の私達もこのパターンを何度か使ってるハズ。この予想は多分、外れてない。

 日本で一生働いたって貯金出来る金額は限られてる。女性の平均貯金額が1200万位だから×1105でも概算で132億。


 ずっと独身だったならともかく、結婚したり、子供産まれたりしたら、出費は嵩むだろうし、どう計算しても一千億超える貯金はあり得ない。


 と言う事は、何処かの時点で一山当てたって事よね。


 でも、英語は話せる事は確認済みだけど、イタリア語は口から出てきた事ないわよね?イタリア行ったら勝手に喋れたりするのかしら?


 デメリットとしては、どうかしら。かーさまは付いて来てくれるかは、50/50て所ね。こなければ、ホームシックは当然の如く出るでしょうし、ご飯もまあ、日本食ではないから此方よりは美味しく感じないでしょうね。

 後は、文化の違いとか、かしら。言葉は……こればっかりは深層記憶頼りね。お友達とも、お別れね。向こうでも新しく出来るでしょうけど。」


{えーー!やっくんとお別れするのイヤー!}


「だから、デメリットの話だって!だいたいSNS使えば何処にいたって連絡位できるでしょう。顔だって、見られるし。


 全く。次行くわよ。次は日本に留まるメリットね。最大のメリットは今の生活を今のところは続けられるというところかしら。


 デメリットは爆弾を抱えて過ごす事ね。でき得る対処はしてるけど、いつバレるか解らない綱渡り状態で億貯金を処理していかなければならない。

 どれぐらいの期間で隠しきれるのか予測が立てられない。

 きっと何度か途中でバレてるはず。それ程までに今の状況は綱渡り状態なの。


 で、どうする?この周回は貴女の人生だもの貴女が決めるべきよ。」


{………うん。……でも。……僕…わかんないよ。}


(うん。そーだよね。まだ8歳だもんね。………じゃあ、これは提案なんだけど、期間を限定して留学はどうかな?)


{限定?}


(そう。数年間だけ留学して名前が売れ始めたら日本を拠点にする。それなら、何年かガマンすれば元の生活に戻ってこれる。しかも、抱えていた問題全て解決して。どうかな?)


{……………う…ん。…わかった。僕、頑張ってみるよ。}


(うん。よし、そうと決まれば私も頑張っちゃうぞ!私の知る限り最大限の協力をするからね。期待してて!)


{うん。ありがとう。}


(では、早速始めましょうか。スイッチするよ。)


{うん。お願い。}


(スイッチ。)


「鹿島先生。かーさま。私…………イタリア行って勉強してみたい。」


 ◇

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