第5話 文生覚醒?
昨日の晩にヴァイオリンを習う許可を両親共に得た文生は若干舞い上がっていた。
文生(小学生)が出てる時に貴文(父親)から許可が出た。文生(小学生)も大いに喜び上がっていた。
そう。舞い上がっていたのだ。先生に呼び出される前までは。
そして放課後、教室から帰る所で担任の横路先生に捕まり職員室へ←(今ここ。)
「柊木。今朝方、警察から電話があって昨日のHRで話した痴漢が捕まったと連絡してくれた。
……柊木。お前が、痴漢にあったそうだな。辛かったな。……お前には慰めだけをかけてやりたい。
だが、そうもいかん。聞いた話、お前は一人で行動していたそうだな。
先生言ったな。帰る時は集団で帰る様にと。危ないから寄り道は成るべくするなと。
どうしてお前は一人で帰った!どうして一人で行動した!何故すぐに逃げなかった!下手すりゃ、お前!
心にも体にも消えない傷が付けられてたかもしれないんだぞ!柊木!」
「も、申し訳ございませんでした。」
横路先生、超恐い!ガクブル( TДT)
「……怒鳴ってすまん。柊木。だが、心配したんだ。お前が俺の知らない所で傷つけられていたんじゃないかとな。
お前は頭が良いし、回転も早い。要領もいい。だから何でも自分一人で出来ると考えがちだ。
だが、お前は女の子だ。まだ、たった8歳の可愛い女の子なんだよ。だから、もっと自分を大事しろ。自分の限界を把握しろ。もっと大人に頼れ。
もう二度とこんな事態にならないように、お前は、しっかり反省と自覚をしろ。
………もう一度聞く。何故一人で帰った。柊木。」
「………申し訳ありませんでした。横路先生。昨日のHRの先生のお話、聞いておりませんでした。
少しばかり悩み事を抱えておりまして、その事をずっと考えておりました。
横路先生には、大変なご心配をおかけし、心労を御掛けしましたことを大変申し訳なく感じております。
改めまして、誠に申し訳ございませんでした。」
流麗に頭を下げ謝罪する文生。
沈黙の後、ゴクっと唾を飲むような音した。
長めの沈黙に疑問を感じて頭を上げると横路先生が発情ンッン!頬を赤くして、呆けていた。
こちらも黙って目を合わせていると、更に顔を赤らめた横路先生は「んっんん!」と咳払いをした。
そして、
「お前、柊木…だよな?」
と聞いてきた。
「………他に誰に見えます?」
そう答えるしかなかった。
そう…答えるしかなかったのだ。
◇
(やらかしたー!どう取り繕っても小学3年生の受け答えじゃねー!)
あの後、なし崩し的に職員室から退室したが、完全にやらかした感、満載である。
そして今回の事で、文生(小学生)は怒られるのを察して私(無意識考察文生)を引っ張り出して下さいましたわ。
えー。そうです。
こいつ(小学生文生)、意識的に私(無意識考察文生)の意識に切り替えやがりましたわ!(怒)
と言う事は、こっち(無意識考察文生)の事前から気付いてまたわね。
(ちょっと!小学文生!気付いてんでしょ!返事なさい!)
{ビクッ}
(こっちはやること満載で一杯一杯なのよ!協力しなさい!やることやんなきゃ貴女のかーさまととーさまがバラバラになってしまいますよ!それでも良いのですか?)
{それはイヤー!なんでそんな事言うの!}
(それは、私達が爆弾を抱えているからよ。それを何とかしないと家庭崩壊まっしぐらよ。猫も食べないわよ!)
{イヤー!}
(なら、協力しなさい。そしたら今のままで静かに幸せに暮らせるのだから。)
{なにすればいいの?}
(それはね……
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