第4話 ここはゲーム世界?
図書館からの帰り道。
夕焼けが空を茜色に染める時間。
この時間なら[ヌク森の丘公園]の展望台からの眺めは綺麗だろうと思い、寄り道して見ることにした。
「うわー。やっぱり、いつ見てもいい眺めー。」
季節がら暑くも寒くもない、この時期にいつまでも眺めていたい景色に感動していたら、季節的に若干おかしい長め厚めなコートを来てるオッサンが声をかけてきた。
「ハア,ハア。お、お嬢ちゃん。い、良いもの見せてあげるよ。」
オッサンはグラサンにマスクに深めのトレンチ帽をかぶっていた。
見た瞬間に自分の目がすわるのを文生は感じた。
カバッとコートを観音扉の如く広ければ、そこは真っ裸の世界だった。
 ̄ダダッダダッ ̄(BGM)
変態親父が現れた。
変態親父の先制攻撃
真っ裸!(精神的ダメージ大)
文生に精神的ダメージ。が何故か精神耐性(大)発動。
文生のターン。
たたかう △スキル
どうぐ にげる
スキル一欄
①お巡りさん。こっちです。(社会的抹殺)
△②「小さい?」とつぶやく(精神的ダメージ大)
③シャイニング・ウィザードを放つ(物理特化)
「小さい?」
変態親父は精神的ダメージ(大)を受け、項垂れた。
ここで文生はエクストラスキル[このままずっと俺のターン]を発動。
①お巡りさん。こっちです。(社会的抹殺)
②「小さい?」とつぶやく(精神的ダメージ大)
△③シャイニング・ウィザードを放つ(物理特化)
文生は相手の膝を使ってシャイニングウィザードを変態親父のこめかみにしかけた。
変態親父は轟沈した。
△①お巡りさん。こっちです。(社会的抹殺)
②「小さい?」とつぶやく(精神的ダメージ大)
③シャイニング・ウィザードを放つ(物理特化)
文生は警察に通報した。
通報すますた。
数十分後、変態親父は警察に逮捕された。
そして、文生も聞き取り調査の為に連れて行かれた。
警察官との聴取で、起きた出来事を事細かに正直に話すと何故か苦笑いされ「可愛いのに、ギャップ激しいな。このお嬢さん。」と言われた。
ようやく解放された長時間拘束と親連絡&迎えからの何故か母親から怒られのダブルパンチにより文生は予期せぬ精神ダメージを負うのであった。
解せぬ。
◇
帰りの道中、香生(母親)は警察官から事件についての概要やお転婆文生の犯人に対する対応を聞かされ、文生の女性としての人生観に不安を覚えていた。
「ふみちゃん。おしとやかさを身に付ける為に習い事しましょうか。」
ニッコリ笑顔の香生。因みに目は笑っていない。
そんな文生は突然の母親の言葉に
(今日はなんて良い日なんだ。こんなに事が上手く回るなんて、ちょっと恐いな。)等と考えていた。
「僕、ヴァイオリン弾いてみたいなー。」
「え。ヴァイオリン?………そう。…じゃあ、お父さんに聞いてみようか。」
「ほんとー!やた!かーさま。大好き!」
ガバッと抱きつくと香生は苦笑しつつ
「もう、文生は甘えん坊ね。」
と言って抱き返してくれた。
下準備の根回しは出来た。後はあの億貯金をなんとかすれば、静かな私の未来が待っている。ハズ。だよね?
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