第3話 柊木 文生(ひいらぎ・ふみう)の憂鬱。
朝起きて学校いった。
正直、何度も繰り返しをしたらしいので、小学3年生の授業は小学生の僕にとっても簡単過ぎてつまらなそうだ。ボーとしている時間が非常に多い。
なので私は意識的に?無意識考察をする時間ができた。
今朝方、睡眠学習バリに行動計画と優先順位を黙々と考察していた為か、それともこの陽気なポカポカのせいかは解らないが、この無意識状態が続いているうちに学校が終了次第計画を実行しなければならない。
意識した瞬間に遊びに行くだろ事は手に取る様に判る。なにせ自分のことだからね。絶対やっくん達に遊びに誘われて遊びに行くパターン。読めてるから。マジで。
なので終わった瞬間に空気の如く教室をさらねば。
気配を消して黒○てつやに俺はなる!
Mis directionだよ!Mis direction。
これバスケの常識よ!
すみません。嘘です。
私は黒子○つやにはなれません。
………
黒子て○やって誰だ?
黒子てつ○=Misdirectionなのか?Misdirectionてマジック用語だったような。
まあ、要するに何かに気を惹き付ければ難なく行けるということかな?時限式の仕掛けがあれば。
あれか?風船に除光液塗れば時限式の音響弾になるか?
いや、物が無いだろ。しかもどうやって準備すんだ!もう帰りのHRだよ!
やれやれ。なるようになるか。ああ。このまま何も考えずに流されたい。しかし、Bad Endがこの後に待っている。……気がする。
教室がざわざわしだした。いつの間にかHRが終わっていたらしい。
ヤバい。先生が何を言っていたかさっぱり聞いていなかった。HRは授業と違って連絡事項とかあるから聞き逃すと一人だけ知らないなんて事になりかねない。どうか何事もありませんように。
なんて考えていたら、やっくん来ちゃった。orz
「ふみちゃん、ごめん。本当は一緒に帰りたいんだけど今日、早く帰ってくるようにって、かーさんに言われてて。だから先、帰るけど、絶対誰かと一緒に帰れよ!絶対だぞ!」
「え?う、うん。わかった。」
「絶対だからなー!」
「うん。ばいばい。」
なんだかよく分からないが、まあいいや。チャンス到来てことで図書館行こ。
◇
「すみません。少々お尋ねしたいのですが、パソコンは、こちらでお借りできますか?」
「あら。小さいのに、お行儀がいいのね?図書館の会員カード持ってる?」
「あ、すみません。これですよね?」
「はい。ありがとうね。」
ピッとバーコードをスキャンする図書おばちゃん。
「一時間だけだからね。場所わかる?」
「えっと。はい。大丈夫です。ありがとうございます。」
スカートの裾を摘まんで、ちょこんとカーテシーをする。
「あらあら。何処かのお嬢様からしら。ふふふ。」
言われて気付いた。何してるんだ私は。は、恥ずかしい。本当にちょこちょこ出てくるな周回の条件反射。
若干、口をひきつらせながら外面の良い愛想笑いをしつつ、そそくさとパソコンルームに向かう。
時間が余り無いので早速取りかかる。途中コンビニで買ったUSBを差し込み防壁用のプログラムを構築して一旦USBに保管。
疑似ファイルを構築し、ネットに繋いで、あちこち色々なサイトにバイパス繋いで裏サイトに。速度が若干遅いがまあ、想定内。
タイピングの速度が阿保みたいに早い。こういう時の周回条件反射は正直助かる。
何か後ろや横から息を飲むような音や「すげー。」という声が聞こえたが、今は時間がないのでガン無視。
「一丁上がりと」と小声でつぶやくと同時に裏サイトでクレカ作れた事に若干引いた。マジであるんだ、こんなサイト。そして、USBから防壁プログラムを流し足がつかないように最後の仕上げ。
後は、クレカがお家に届くのを待つだけ。それと平行して習い事用のクレカも発行してもらわないと裏クレカが届いた時に言い訳が出来なくなっちゃうしね。
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