第2話 僕は小学生。

 と、とりあえず、この明らかにおかしい金額の通帳をなんとかしないと。


 そ、そうだよ、このままじゃ、せっかく稼いだお金が無駄に税金に持っていかれてしまう。


 一千万以下なら確か税金は取られないはず。うん?とられないんだっけ?


 とりあえず銀行を何件かに分散すればいいのか?って、うん千万持ち歩いて口座開くとか、怖すぎて無理て言うか、小学生には親の承認無しで口座とか開けないだろ!小学生がノコノコと銀行行っても親に連絡されるわ!


 うわー。これ摘んだかな。


 誰か巻き込むか?代行業者とかいるのかな?


 電子マネーに変換とかはどうだ?でも、サーバーデータや親会社が落ちたら即死だしな。


 前にビット系で詐欺っポイ事件あったし。うん?あったっけ?まあいいや。


 でもやっぱ千万単位はちょっと怖いかな?株か?投資か?投資なのか?大体ネットで何かするなら身分証明代わりのクレジットカードは必須なはず。


 クレカ作るのに未成年は親の承諾は必須だし、やっぱ詰んでんじゃん!これ!


 ちょっと!周回してるんでしょ!せめてヒントおくれよ!


 あーそういえば、前回やらかしてたんだっけ?いや、わからんが。うーん。)


「………」


 あれ?今僕、何考えてたっけ?うーん。ま、いっか。忘れるくらいなら、きっと大したことじゃないよね。速くやっくん達と遊びに行こ。


「かーさま。やっくん達と遊びに行ってくるねー」


「車に気を付けるのよー」


「はーい!行ってきまーす。」


 ◇


「あー来た来た!ふみちゃん遅ーい。」


「ごめんごめん。何してたの?」


「バスケ!ふみちゃん来たから3対3でやろーぜ!」


「おっけー!どっち入ればいいの?」


「俺んトコ!」


「おー!」


 ◇


「いけー!やっくん!シュートシュート!」


バスッ


「やっくんNice shoot!」


「うわー!またやられたー!そっちずりーよ!組み換えしよーぜ!」


「結局やっくんいるほーが勝つんじゃ意味無くない?」


「そーだよー!」


「ふふん!まーな!でも、ふみちゃんもナイツアスストだぜー!」


「そ、そんなことないよー!やっくんが凄いんだってー!」


「へへー!てれるぜー!」


「光一!もうお家入んなさい!」


「あ!おかあちゃん!俺もー、帰るな!ばいびー!」


「おー!じぁーなー!」


「おかあちゃん!一緒に帰るってばー!」


「はいはい。君たちも、早く帰りなさいねー!」


「「はーい!」」


「んじゃ、俺達も帰ろっか。」


「そだね。じゃーねー。やっくんもみっちゃんもまた明日ー!」


「おー!またなー!」


 ◇


「ただいま!かーさま。」


「あら、お帰り。ちゃんとうがい手洗いするのよ。」


「はーい。」


「お風呂もはいっちゃいなさいねー!」


「はーい!」


 ◇


「お父さん、少し遅くなるらしいから、先食べちゃいましょうね。」


「うん!わかった!ねーねー、かーさま!今日やっくんに褒められちゃた!Nice assistだって!」


「そーなの?良かっわねー。でもその子、もう英語話せるなんて凄いのねー。」


「うん!そーなの!やっくん凄いのに僕、褒められちゃた!えへへ!」


「あらあら。文生ったらおませさんかしら?ふふ。」


「?かーさま。おませさんてなーに?」


「文生がもう少し大きくなったら自然にわかるわよ。ふふ。」


「ふーん。じゃーおーきくなるまで待つねー!」


「そーね。じゃ、ご飯冷めないうちに頂きましょ。」


「はい!頂きます!」


「はい。おあがりなさい。」


 ◇


「zzz」


(寝たな。寝てるのに思考してるってあれか?レム睡眠?それとも夢遊病?まーいいや。子供の成長に大変悪い上に疲れとれなさそーだけど、仕方がない。今は成すべき事を成さねば。


 先ずはクレカを手に入れねば話にならない。其処まではいい。


 どうやって手に入れるか。


 習い事の支払いがクレカ利用払いの習い事にすれば。だが此だと親の名義になるかも。上手く話をすり替えて私個人の名義にしてもらうか。


 もしくは、手っ取り早く裏の業界で手配してもらうか。あるのか?そんなの。


 でも、そういう考えが浮かぶと言うことは以前の周回で手に入れた可能性があるってことか。


 両方やってみるか。ダメで元々。ならば早速、明日図書館でネットに繋いでみるか。


 家からだと足がつくとヤバいしな。ネットカフェなら制限も薄いのだけど、会員にならないとだし小学生じゃ現実的じゃないなー。


 あとは、習い事。


 ヴァイオリンとかならクレカ決済ありそうなんだけど、月額一万超えは親辛いかなー。


 しかも楽器代は別な上、弦も弓毛も交換は必須だし、今の身長じゃ4/4サイズは大き過ぎる。


 だから買うなら1/4サイズか2/4サイズだろう。成長と共にサイズアップするなら尚のこと金が掛かる。


 お金を減らさない為にお金を使い込むこの矛盾。


 しかも使うのは親の金なのだから心が痛む。


 しかし楽器経験はヴァイオリンかエレキベースしかないしなー。


 て前の私!ヴァイオリンとエレキベースじゃ、同じ弦楽器でも毛色が違い過ぎるわ!


 子供用エレキベースとかあるのか?予測出来ないってことは、これ大人になってからやってんなー!










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