閑話【最悪のタッグ】

ムースの街のギルド支部の建物の前に馬車で乗り付けたゾイサ。


「ここか・・・」


ギルドの扉の前に立つと扉が吹っ飛んで来た。


「ぐべっ!?」

「ふざけないで!!」


ソレイユが絶叫して物をぶん投げている。


「お、 落ち着いて下さいギルドマスター!!」

「貴方の方が可笑しいわよ!! 私はギルドマスターよ!?

一支部長でしかない貴方が意見するなんて!!」

「お、 おい!! 皆押さえろ!!」

「無理ですよ!!」


ゾイサが立ち上がる。


「おい!! 一体何の騒ぎだ!!」


ゾイサが叫ぶ。


「誰!?」


ソレイユも叫ぶ。


「お前こそ何者だ!!」

「ギルドマスターのソレイユ!!」

「おぉそうか!!

俺は俺はゾイサ・イト・ソク!! ジェスター教国の大公ソク家の四男だ!!

この俺様が依頼を持って来てやったぞ!! 感謝せよ貴様等!!」

「何ですって!! 私の方が先よ!!」

「どういう事だ!? ギルドマスターが先だと!?」

「私にはカレーの街のロダンを何とか仲間にしなきゃいけないの!!

だから兵力が必要なの!! それなのにここのギルド員達は動かない!!

何でなのよ!!」

「ふむ、 確かにそうだ!! 何で動かないんだ!?」

「お応えします」


恰幅の良い男が現れた。


「誰だ!?」

「この支部の支部長をやってます、 リップクです

ギルドマスターの依頼であろうと依頼は依頼、 依頼料を支払って頂かないと」

「それはそうだな・・・もしや依頼料をただにしろとかは・・・」

「私のギルドよ!? 私の指示に従うべきでしょ!?」

「ちょっと待て、 話によっては協力してやって良い」


ゾイサが割って入る。


「俺もカレーの街に兵隊を送りたい

俺の目的であるモルガナを連れて来て貰えれば、 その依頼料

俺が払っても良い」

「本当に!? 親切な人!! じゃあ他の支部からも人を呼ぼう!!」

「ちょ、 ちょっと・・・ギルドマスター・・・

大公家の方にお金を出して貰うからってそんなに・・・」

「構わんぞ? とりあえず・・・10億で足りるか? 馬車に積んである」

「・・・・・本当ですか?」

「嘘を吐く訳が無かろう、 思いからお前達が取り出せよ」


馬車から10憶Gの金貨が入った袋が本当に馬車に有った。


「わ、 分かりました・・・他のギルド支部にも通達して来ます・・・」


そそくさとリップクは離席した。

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