閑話【コーヒーブレイク】

一晩明けてスリム達が泊っているホテル。

朝食を優雅に取るスリム達。


「い、 如何でしょうか?」


ホテル経営者が料理の感想を聞く。


「美味しいんじゃないかね? ステーキのサイズも良いし

付け合わせも最高、 デザートのチョコレートプディングも最高

少々ゆで卵が固いのが気になるが

それは好みだしね、 ゆで卵の塩も良い塩を使っている」


そう言って本日12個目のゆで卵を食べる。


「ありがとうございます・・・こちら、 今朝の新聞です」

「ふむ食後にはコーヒーと新聞とトーストに限る

今日のトーストはどんな感じかね?」

「バニラビーンズがたっぷり入った作り立てカスタードを

中身をくり抜いた食パンの中に詰め込みました」

「宜しい、 なるほどさっきのプディングがチョコレートだったのは

被るのを防ぐ為か、 考えているな」

「恐れ入ります」

「そ、 それはトーストなんですか?」

「と、 というか、 まだ食べるんですか?」


ドン引きするカヌーとモーター。


「コーヒーブレイクに甘い物は必須だろう

コーヒーだけだと苦いからな、 君達こそ朝食はそれだけで良いのか?

スクランブルエッグとハムだけでは足りないだろう」

「いえいえ、 沢山いただきましたよ、 そうだよな?」

「「「はいもちろんです」」」


カヌーが仲間達に問う。


「しかしスリム公爵、 先程デザートを食べたのにまたデザートを?」

「コーヒーブレイクは別腹だよオーウェン子爵」


そう言って新聞を読むスリム。


「ふむ、 如何やら色々と揉め事が起きているみたいだな・・・」

「揉め事・・・ですか?」

「一昨日ギルドマスターがこの街で暴れたらしい」

「なんと・・・本当ですか?」

「本当だろうな」


【栄光の冠】の賢者のオルフェが呟いた。


「オルフェ老は昔ギルドマスターに会った事が有るんだったか?」

「あぁ・・・元ギルド本部勤めでな・・・あやつの癇癪は酷かった・・・

まさか世の中に出て来るまで悪化していたとは・・・」

「如何対処する?」

「今度、 世界会議が行われる」


世界会議とは世界中の首脳や勇者達が集まって行う会議の事である。


「そこで何らかの制裁をギルドに加える事になるだろう」


もぐもぐとカスタードが詰まったトーストと言い張る何かを貪るスリム。


「ふむ、 お、 これは驚きだなぁ

ロダンの仲間のモルガナがジェスター教国の大公ソク家の令嬢だったらしい」

「モルガナ・・・聞いた事は有りますが・・・」

「まぁいずれにせよ、 今日は待機だな、 金も届かないし」


優雅に食後のコーヒーブレイクをするスリムであった。

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