第181話【Prepaid】

ロダン達が外に出た時に外に居たのは鼓笛隊と騎兵隊であった。


「何コレ?」

「一体何の騒ぎだ!! 五月蠅いぞ!!」


近隣住民が騒ぎ出す。

やがて一団の中から一人の男が現れた。


「うおっほん、 初めまして、 と言うべきかな?」

「何方様ですか? 真夜中にパレードなんて、 近所迷惑ですよ」

「そうですよ、 役所の許可は取っていますか?」

「役所の許可だと? 俺にはそんな物不要なんだよ」

「何処の貴族様だよ」

「何処の貴族だと?」


【オーギュストの龍】リーダーの言葉にカチンとくる。


「俺はゾイサ・イト・ソク!! ジェスター教国の大公ソク家の四男だ!!」


記者達がおおおおおおおおおお、 と驚く。


「ゾイサ様!! こちらにはどの様な要件で!?」

「やはりロダン氏の勧誘ですか!?」

「この謎のパレードは一体如何言う意図が!?」

「待て、 落ち着け記者共、 後程記者会見を開くから

まずは俺の用件を済ませよう」


ゾイサが記者達を下げさせる。


「まずはモルガナを出せ」

「モルガナを?」

「ん? 何故彼女を?」

「奴は俺の家の者だ、 呼び出すのは当然だろう?」

「何と!! あのモルガナが大公家の娘!?」

「これはスクープだ!!」


記者達が色めき立つ。


「という訳でさっさとモルガナを」

「ゾォォォォォォイィィィィィィィサァァァァァァァァ!!」


モルガナが屋敷の外に現れた。


「おぉモルガナ」

「くたばれええええええええええええええええええええええ!!」

「へ」


モルガナはドロップキックをゾイサに喰らわせた。


「ぐべら!? な、 何をする!?」

「何しに来た!? この変質者め!!」

「な、 誰が変質者だ!!

「黙れ!! 貴様私や姉妹が入っている時にも平然と入浴して来るだろうが!!

部下にもセクハラをするし、 何だ!? 私の体目当てか!!」

「な、 兄弟だから良いじゃねぇか!!」

「良くねぇよ!! 何考えてるんだよこの変質者!!」

「誰が変質者だ!! 兎に角一緒に来い!!」


ゾイサがモルガナの手を掴む。


「触るな!!」


思い切りゾイサの腕を掴み返して投げ飛ばすモルガナ。


「ぐわああああああああああああああああああああ!!

貴様!! 大公家の使いの俺にこんな事をしてタダで済むと・・・」

「帰れ!! ぶっ飛ばすぞ!!」

「ぐぐぐ・・・畜生!! 覚えて居ろ!!」


ゾイサは取り巻きと共に帰って行ったのだった。

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