第174話【Break the door】

「えー、 ロダンとは寝室は別になるのー?」


【オーギュストの龍】リーダーがぶーたれる。


「部屋は沢山ありますので分けても問題無いかと・・・

何か問題でも?」

「一緒に枕投げしたかったのにー」


【オーギュストの龍】リーダーの言葉に呆れるロダン。


「男同士、 女同士で部屋分けしても男子3人だから物凄い地味な絵面になりますよ」

「ぶー」

「そんなに枕投げがしたいならクラウン公国の勇者さん達が居る宿に行ったらどうですか?」

「あいつ等嫌いー」

「クラウン公国の勇者?」


シエンが反応する。


「それは一体どういう事ですか?」

「あなた方が来る前にクラウン公国の勇者さん達が来ていたんですよ」

「誰が来ていました?」

「えーっと・・・【レストラン・スリム】と【栄光の冠】と

【遥かなる理想郷】の方々ですね」

「そのパーティから誰が?」

「大勢居たので多分全員かと・・・」

「なるほど、 連中も機会を見る目が有りますね」


そうぼやくシエン。


「クラウン公国と何か繋がりが?」

「それがシエンは教えてくれないんだよねー

クラウン公国の生まれだって聞いた事は有るけど・・・

君達は知って居るの?」


シエンパーティのメンバーに尋ねる【オーギュストの龍】リーダー。


「知らなーい」

「興味無い」

「・・・・・」

「意外と付き合い浅いんだなぁ、 てっきり体の付き合いが有ると思ったよ」

「当シエンパーティはパーティ内での恋愛は禁止です」

「自意識過剰だよー」

「色恋沙汰には興味が無い」

「・・・・・」

「まぁそれも含めてのカミングアウトとか夜中パジャマパーティとかしない?」


【オーギュストの龍】リーダーがロダンに問う。


「カミングアウトって何ですか」

「誰が好みとか、 クラウン公国との関係とか」

「パジャマパーティで喋る事では無いですからね、 重要な所ですから」

「ふーん、 じゃあ誰が好きとかあるのぉ~?」


そんな事を言っているとガンガン、 とドアノッカーが叩かれる。

如何やら来客の様だ。


「御客様ですか?」

「こんな夜中に? 僕が出ますよ」

「また勇者かもしれないし僕も出」


バゴン!! と大きな音がした。


「な、 何だ?」

「もしかして襲撃?」

「アンデッドの気配は感じない・・・」

「・・・どうやら眠るのはまだ早いようだね・・・僕達も行こう」

「小生達も付いて行きます」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る