第155話【doubt】

「?????」


首を傾げるロダン。


「ロダン、 さっきから何だか変だぞ?

もしかして怒っているのか?」

「いや・・・初対面・・・ですよね?」


恐る恐る言うロダン。


「・・・・・・・・・・ロダン、 お前、 もしかして記憶が無いのか?」

「はい、 そうですが・・・もしかして過去の僕の事を知って居るんですか!?」


身を乗り出すロダン。


「記憶喪失か・・・話がややこしくなるな・・・・・

しかし今は過去の事は如何でも良い」

「いや、 如何でも良いって事無いでしょバンテージ」


【白紙の冒険記】のメンバーのエイドが割って入る。


「僕達の関係性について話した方が良いと思うよ」

「しかし話がややこしくなる・・・」

「僕は話を聞きたいですね!!」


ロダンが目を輝かせて言う。


「そ、 そうか・・・まずロダン、 お前は俺達と幼馴染だった」

「・・・・・そうなんですか?」

「何故疑う」

「いや、 確かに私も思いました」


花子も割って入る。


「誰だアンタは」

「ロダンの今の仲間です、 見た所バンテージさん、 貴方とロダンとでは

年齢に差が有ると思います」

「・・・確かに、 だがロダンは小柄だし見た目よりも若く見えるだろう」

「年齢も分からないですから良く分かりません」

「そ、 そうか・・・俺とバンド、 エイドとお前

四人は幼馴染で同じ村の出身だった」

「そうなんですか・・・覚えていません」

「そうなのか・・・大人になった俺達は職業を身に着けて

俺が勇者、 バンドがアーチャー、 エイドが賢者、 そしてお前が神官だった」

「え?」


ロダンが意外そうな顔をする。


「何だ? お前は神官だろう?」

「いや・・・スキルでそう言う事は無かったので・・・」

「スキルが変わっているという事か?」

「そうなりますね・・・」


困惑するロダン、 そしてバンテージ。


「俺達はパーティを組んだんだが、 訳合ってお前と俺達は別れたんだ」

「え? 何でですか」

「それは・・・俺にも分からない、 お前が抜けると言い出して」

「ダウト」


後ろでデッドが口を出す。


「デッド、 何急に?」


振り返るロダン。


「そいつは嘘を吐いている

お前を騙して良い様に使おうとしている、 信じるな」

「・・・・・」

「おい、 如何した急に?」

「デッドが嘘だって言っています」

「デッド?」

「僕とモルガナに見える人です、 本当の事を言って下さい」

「・・・・・」


気まずそうにするバンテージ。

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