第154話【Discrepancies】

ロダン達は街に戻り宿を取って休息を取っていた。


「何で僕一人部屋なの?」

「いや、 お前男じゃん」


部屋割に対し文句を言うロダンにデッドが答える。


「僕は気にしないよ?」

「女性陣が気にするんだよ、 良かったな、 お前男として見られているぞ」

「ふーん・・・」

「なぁなぁ、 ここだけの話、 お前、 誰が好みだ?

俺的にはモルガナとか良いと思うぞ? 何しろ俺が見えてるんだからな!!」

「何だいそれは・・・僕は女性関係とか・・・良く分かんない

怪我している人が居れば治したい程度かな・・・」

「お前はそればっかりだなぁ・・・」


ドアがノックされる。


「はーい?」

「御客様、 御客様にお会いしたいと言う方が来ています」


宿屋の主人がドア越しに話す。


「どちら様ですか?」

「勇者バンテージ様率いる【白紙の冒険記】の方々です」

「? 少し待って下さい、 仲間と相談します」


そう言ってロダンは部屋を移動して花子達女性陣のいる部屋に移動して

事情を説明した。


「【白紙の冒険記】?」

「知ってる?」

「回復役を持たない変な縛りをしている勇者パーティよ」

「なるほど・・・優秀なヒーラーであるロダンをスカウトしよう、 という腹積もりね?」

「?????」


首を傾げるロダン。


「何か腑に落ちない所でも?」

「何で回復役が居ないのに生きているの?」

「何時も大怪我をしているけど何だかんだ生き残ってるのよ

あ、 そうか、 さっきすれ違った包帯でグルグル巻きになっているのが

【白紙の冒険記】か」

「でも変じゃない? 何で僕がここに居るって分かったの?」

「さっきすれ違ったじゃない」

「だけど名前までパッと出て来るとは思えないけど・・・」

「とりあえず、 会うだけあって見ればいいんじゃないのでしょうか?」


ベルーズが言う。


「いきなり襲われる事も無いでしょうし・・・」

「それもそうか・・・」


ロダン達は宿屋のロビーに向かった。

そこには【白紙の冒険記】の面々が待っていた。


「どうも、 お待たせしました、 ロダンです、 はじめまして」


【白紙の冒険記】の面々がそれぞれ怪訝な顔をする。


「はじめまして?」

「え? あ、 そうでしたね、 さっきすれ違い」

「そうじゃないだろ、 ロダン、 お前何言ってるんだ?」


【白紙の冒険記】リーダー、 勇者バンテージが不快な顔をした。

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