第57話【Girl’s talk】

ロダンと花子は夕食後、 客間に通された。

それぞれ別室だった。


「ふぅ・・・」


花子は部屋でベッドに横になった。

コンコンとノックがされた。


「はい」


ガチャリ、 と外からカリエが入って来た。


「カリエ様、 如何なさいましたか?」


ベッドから起き上がる花子。


「あ、 いや、 少し聞きたい事が有ってね、 腰かけてて良いよ」

「では遠慮なく」


ベッドに腰かける花子。

カリエも椅子に腰かけた。


「・・・・・えと・・・御用件は?」

「用件ね、 ガールズトークでもしない?」

「ガールズトーク?」


きょとんとする花子。


「そ、 ガールズトーク」

「・・・別に構いませんが・・・ガールズトークか・・・」

「駄目?」

「経験無いですね」

「安心して私もよ」


ふふっ、 と笑う二人。


「じゃあ恋バナから始めますか、 私の初恋は・・・何と言うかですかね

小説の中の登場人物でした」

「あぁ、 何となく分かるわぁ、 理想が高過ぎるのかなぁ・・・」

「まぁそうでしょうね」

「ロダンとは如何なの?」

「ロダンですか、 彼は私の命の恩人でしてね、 恋愛感情はないんですよ」

「へぇ、 じゃあ彼に付いて行っているのは恩返し?」

「それだけじゃないですよ、 彼の能力の高さは貴女も理解出来た筈」

「確かに凄い治癒魔法だった、 最近噂になっているこの辺で

怪我人を片っ端から治療しているヒーラーってロダンでしょ?」

「そうですねぇ・・・カリエ様、 もしかしてロダンに惚れました?」

「かもしれない、 それに彼の能力の高さならば結婚もお父様は許してくれそうな感じはある」

「確かに・・・でもロダンは家に収まる器じゃないですよ」

「何となく分かるわぁ・・・ロダンって破天荒そうよね」

「えぇ物凄い無茶して大怪我をして・・・そして自分で治したりもしますから・・・」


溜息を吐く二人。


「まぁ男なんて手がかかる方が良いものよ」

「そうですかねぇ・・・」

「まぁ、 彼が落ち着きたくなったら連絡頂戴よ、 私もまだまだ独身だろうしね」

「そうします・・・あの、 直接ロダンと話した方が良かったのでは?」

「うーん、 最初にロダンの部屋言ったら物凄い爆睡してた」

「あぁ・・・なんかすみません」

「良いのよ、 ゾンビの大軍を全部浄化したんだからへとへとになってもおかしく無いわ」

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