第56話【Snack】

食卓で待たされるロダンと花子。

大量の食べ物がやって来る。


「待たせたな!!」


男爵がビール片手にやって来る。

男爵の手料理は砂肝や鳥皮、 たこわさ等、 酒のつまみが中心だった。


「酒のつまみばっかりじゃないですか」


花子がごちる。


「安くて旨い!! ビールにも合う!!」

「ワイン呑みましょうよ・・・」

「ワインの何が旨いかさっぱり分からん上に高い!! ビールの方がコスパ良い!!」

「コスパって・・・貴族様だから金をかけましょうよ」

「男爵だからそこまで金は無い」

「何かすみません」

「構わん、 構わん、 えーっと」

「ロダンです」

「ロダン君は如何だ? 旨いか?」

「野菜が欲しいですね」

「たたきゅうも出そう」

「たたきゅうって・・・庶民的ですねぇ・・・」

「梅酒も有るんだが飲むか? 自家製だ」

「居酒屋ですか」


そんな事を言いながらもぐもぐ食べるロダン達。


「何だかんだ言って君達食べてるじゃ無いか、 やっぱり好きだなぁ

良い食べっぷりだ」

「てっきり御馳走が出るかと思いましたが・・・これはこれでアリですね」

「白い御飯が欲しいですねぇ」

「炭水化物抜きダイエットをしているから御飯は無い」

「残酷だ」

「すまんな」

「ダイエットをしているのならこうして酒盛りは不味いのでは?」

「いやいや、 娘の命の恩人を無碍にする訳には行かない」


ぽん、 と二本目のビールを開ける。


「飲み過ぎでは?」

「まだまだこれからさ、 所で君達が命の恩人だと分かったが一体何が有ったんだ?」

「何か襲われていたのを助けたっぽいです」

「っぽいって何だ?」

「アンデッドをやっつけて怪我を治しました」


もぐもぐとたこわさを食べるロダン。


「アンデッドを倒した・・・つまり君は炎の魔法使い、 若しくは浄化が出来る聖職と言う事かい?」

「???????」


首を傾げるロダン。


「うーん、 良く分かりません、 どうなのデッド?」

「俺に聞くなよ」

「良く分からないですね」

「?????」


男爵も首を傾げる。


「どゆこと?」

「私もロダンの事は良く分からないのですよ記憶喪失らしくて・・・」

「記憶喪失か、 では良い医者を紹介しようじゃないか」

「本当ですか、 ありがとうございます」

「では色々と手続きをするから待っていなさい」


立ち上がる男爵だった。

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