第34話【Tear me apart】

生き物が沢山居る階を何とか突破出来たロダン。


「うーん・・・」

「如何した?」


ロダンは腕組みをして悩んだ。


「さっきの熊さん・・・如何やらお腹が空いてなかったみたいなんだよね」

「何で分かるんだ?」

「・・・・・何となく?」

「何だそりゃ」

「それで思ったんだけどさ

お腹が減った熊さんだったら僕襲われていたと思うんだよね」

「そりゃあ熊さんに出会って『御嬢さん落とし物』って届けてくれる熊は居ないな

そんな熊さんは出会いを求めた男以外ありえない」

「それで何か食べ物を渡せば良いかなって思ったんだけど」

「人間の食べ物を動物に与えるのは良く無いぞ、 味が濃すぎる

それにお前の食べ物を与えたらお前が飢えて死ぬ」

「そうなんだよね・・・それで思ったんだけどさ」


剣を抜くロダン。


「僕の腕を切り落として僕の腕を御飯としてあげれば

お腹減った動物も追って来ないかな」

「気が触れているのか? そんな事をしてみろ

お前の腕が無くなるだろうが」

「回復魔法を使えば良いかなって」

「なるほどなぁ!! お前も考えてるんだなぁ!!

じゃあ腕を切って魔法で治して見ろよ」


デッドのこの発言は嫌味である。


「うん」

「おい、 馬鹿止めろ、 嫌味が通じてねぇのか」

「何で止めるの?」

「何でって、 お前馬鹿だなぁ、 今切ったら血が滴って匂いで獣が寄って来るだろうが

それに腕を切って持ち歩くって荷物になるだろう、 後でやれば良いじゃ無いか

・・・・・俺は普段、 喋らないのにお前が頭可笑しい事言うから真っ当に止めちゃったじゃないか

何だ、 俺はやさしいお兄さんか」

「優しいお兄さんか如何かは知らないけどデッドの言う事にも一理有るね」

「そもそも他の生き物殺してその肉を渡せばいいだろうが!!」

「うーん・・・何か嫌だなぁ」

「このイカレ野郎が!!」

「デッド、 匂い云々で獣が集まるを論じるなら君の大声も獣を呼び寄せると思うよ」

「はっ!! その事なら問題ねぇよ」

「何で?」

「直ぐに分かる、 じゃあさっさと行け」

「???」


ロダンは首を傾げて上の階層に登るのだった。

上の階層も特に獣やモンスターは居なかった。

それから十階程登った所で横になって眠りにつく為に横になって休憩したのだった。


「残り20階、 早く登るぞー」

「おう、 おやすみ」

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