第33話【Encounter】

「おでぶちゃんのお陰でよく眠れたよ」

「どういたしましてにょー」


一晩、 なのかどうかは分からないがとりあえず眠って目が覚めたロダン。


「これから外に出るけど如何する? 付いてくるかい?」

「にょー、 ここは楽園にょー」

「お外だとぽーんってされる事も有るのが嫌だからここに来たにょー」

「そっかー、 じゃあ僕は行くね」

「ばいばいにょー」


でぶ妖精達に見送られてロダンは上の階に進んだ。

上の階を登って20階位登った所でロダンは頭を抱えた。


「如何した?」

「何か生き物が多くて・・・出会いそう」

「ふむ、 じゃあ戦うか?」

「・・・なるべくなら戦闘を避けたいと思うよ」

「がんばれよー」


デッドは他人事の様に言う。


「・・・君は戦わないの?」

「おう、 戦わねぇぜ」

「・・・・・」


ロダンはデッドをジト目で見た後に進んだ、 スキル【行脚】で生き物の位置は分かるが

それでも避けるのは限界が近かった。


「あ」

「ぐおおおおおおおおおおお!!」


ダンジョンベアに出会った。

ダンジョンベアは主にダンジョンに生息する熊である。

引き籠りがちで人間も襲うと言う事以外、 普通の熊と変わりはない。


「さて如何するロダン」

「うーん・・・」


ロダンは考えた。


「良し、 逃げよう」

「そうか」


ロダンは逃げ出した、 ロダンは熊を殺す趣味も傷付ける趣味も無かった。

そして熊を殺す理由も無かった。

故に戦う理由も無かった。


「ぐおおおお?」


残されたダンジョンベアは呆気に取られていた。

如何やら追わない様だった。

ダンジョンベアにもロダンを殺す趣味も傷付ける趣味も

殺す理由も戦う理由も無かった様だ。

如何やら食後らしい、 飢えているのならば追いかけていたのだろう。


一方逃げたロダンだったが、 またしてもダンジョン内のモンスターと出くわした。

出て来たのはダンジョンスネーク、 ダンジョンに生息する引き籠りがちな蛇。

温厚と言う訳でも無いが襲い掛かって来る蛇でも無い。

ダンジョンスネークと戦闘になる理由の大半は

ダンジョンスネークを踏んでしまったからと言う理由である。


「おおっと!!」

「しゃあああ」


ダンジョンスネークが威嚇するがダンジョンスネークを踏まない様に正確に探知して

ダンジョンスネークを躱して通り過ぎるロダンだった。


取り残されたダンジョンスネークは眠りに着いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る