幕間【ピエロ連邦の勇者】

ピエロ連邦の実質的な首都、 ピエロD.Cで

ピエロD.C統治者の幼大公ピエリアッテは退屈な溜息を吐いていた。


「のぅ、 執事よ」

「はい閣下」

「今日は勇者達が集まる会合だった筈だと記憶しとるんだかの」

「はい閣下」

「何で三人しか来てないのだ?」


ピエロ連邦の勇者は四組の筈だが来ているのは三人のみ。


「閣下、 不機嫌になると、 そのお美しいお顔が台無しですぞ」


眼鏡をかけた長身の男性勇者【イケメンズ】のリーダー、 ナイスガイがにこやかに笑う。


「私はイケメン過ぎるので一人で充分かと」

「何だその理由は・・・おい、 そこの・・・ワカザキの手下!!」


ワカザキとはクラン【ブラックアウト】のリーダーの勇者の事である。

今回ここに来ているのは彼の部下のハッケヨイである。

ハッケヨイは真っ黒い角刈りの厳つい男で答えた。


「はい、 ワカザキは病気が悪化したので暫く外に出られないので私が代わりに」

「病気?」

「えぇ、 金髪の人間を見ると所構わず殺したくなる病です」

「・・・・・」


ピエリアッテは自分の金髪ロールを弄る。


「そうか、 では・・・何て読むんだコレは?」

「・・・・・」


資料の名前を読もうとするピエリアッテ。


「それは・・・古代の文字・・・」


ポーズを取りながら答える勇者。


「古代の文字?」

「そう・・・遥か昔の古代文字・・・」

「何で名前が古代文字何だ?」

「・・・・・・・・・・」


溜める勇者。


「カッコいいから・・・」

「あ、 そう、 で名前は?」

「我が名はдень・・・デェンと呼ぶが良い・・・」

「他のメンバーは?」

「・・・・・真の勇者とは孤独な者・・・」

「・・・何だ、 ハブられたのかの」

「!?」


目を見開くデェン。


「所でチーム名は何と読むのだ?」

「・・・・・ΘДΘと書いて【眠れる王】と読むんだ」

「変な名前だな・・・それで誰も来てない残り一組は何をしているかの?」

「それですが彼等は全員消息不明の様です」

「消息不明!?」


執事の説明に驚愕するピエリアッテ。


「一体何が有った!? 何を起こっている!?」

「さぁ・・・いずれにせよ消息がつかめない様です」

「くっ・・・ならばではここに集う勇者達よ!!

まずはここに来ていない勇者パーティ【燻製ニシン】をここに連れてまいれ!!

話はそこからだ」

「ふむ了解しましたぞ」

「分かりましたクランにそのように通達します」

「・・・・・了解した、 リトルレディ・・・」


そう言って各々部屋から出て行った。


「一体何なんだアイツ等は」

「アレが勇者と言う物なんですかね・・・」


執事はしみじみと言った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る