あたし、31になりまして

第1話 はじめに

こんなことをまっさきに書くのはなんだけれど、恥をしのんで書かせてもらうと、

彼氏いない歴＝年齢。

つまり、あたしは処女である。

先月ついに31になったあたしにとって、最も最大かつ隠したい秘密である。

そして最悪なコンプレックスである。

いや、正直言えば、とびっきり可愛いとか美人とかそんなわけではないけれど、別にブサイクなわけではない。

自分でいうのもなんだけれど、たぶんモテないわけではない。

性格だって良いわけではないけれど、悪いわけではない。…と思う。

とにかくあたしには隠している秘密がある。

最大の秘密を書いてしまえば、何も恐れることはない。

ここまで言ってしまえばもう一つ。

あたしの右足首にはゆりのタトゥーが彫られてる。

別にヤンチャをしていたわけでもないし、そういうものとはほぼ関係ない人生を送っている。

たぶんあたしの見た目からはほぼ遠い事実だと思う。

それでも誤解しないでほしいのは、別に目立ちたくて、見せるために彫ったわけはないし、タトゥーを入れたことを後悔してるわけでもない。この先消すつもりもない。

そんなあたしは先月31歳になりまして。