第11話 道化師と激怒、分かたれた道
「ふざけるなッ!!!」
怒号が響き渡る。黒のインクを紙に盛大に溢し、延ばしたように真っ黒の太刀筋。
殺意剥き出しの表情に一瞬戦く白髪の男。
「やだなぁ、ダミーを出さなかったら死んでたよ」
「殺すつもりだ、問題ねぇ」
滲み出る闇、仮面を使わずとも第二段階の真の力を引き出せるようになったキバは恐ろしい速さで十二重の魔方陣を生み出す。
「あはは、恐ろしいねェ・・・でも、君は殺意だけじゃ僕は殺せない」
「うるせぇんだよ
とは言っても、憎悪や殺意だけではいけない、冷静になれと言い聞かせる。
「全く・・・僕のサーカスを邪魔しないでおくれよ」
「・・・うるさい、一番腹立つのは俺だ・・・名乗れ、最後に聞いてやる」
剣先を向け、問いかける。
口を弓なりにしながら、彼は答えた。
「ヴァーリック・クラウン。それが僕の名前。さぁ、喜劇の幕開けだ」
「ほざけ、今から始まるのは悲劇だよ、てめぇにとっちゃなぁ!!!」
剛閃。無理矢理薙ぎ払うような暴力の塊が、空気を揺らす。
風が唸り、黒が空気に染み出る。
「あーあー・・・まぁでも、君の精神を乱すくらい造作はない」
途端、空中に大画面が生み出される。
そこに見えたのは、連れてきた四人の姿。
「僕は魔術師。『遊戯魔法』の使い手さ。<
ニヤリと笑って、続けたのは。
「この先の行き止まりの部屋には、世界各地から集めたモンスターがいる。強力だから、簡単に死んじゃうかもね♪」
友人が四人それぞれバラバラ、その上死ぬかも知れない。感情を揺らすには最高の手段。
ところが、キバは動じる事無く。
「く、くく、くはっははははははははははは!!!!たかだかモンスター!!」
大口を開けて笑った。
ヴァーリックは理解出来なかった。友人が死ぬかもしれないんだぞ、なんでコイツは笑えるんだ?
「安心しな、俺の友人なら死なねぇよ。異形も殺してるんだぜ?」
もう一度、剣を構えて。
(笑えば気分も冴えた、いけるかもな)
「・・・滅茶苦茶だなぁ、死んでもしらないよ!!」
「はっ!!よく言うぜ!!・・・さぁ、遊びの時間だ!!」
その頃、分かたれた四人はモンスターと対峙していた。
「あはは~・・・翼竜ね、まぁ大丈夫か」
アイギスは、魔道書のページをめくり。
「ふーん、ゴーレム。じゃあ寝よう」
ポートは、目を瞑り。
「・・・カメレオン、ね」
ポートは、体の半分を透かして。
「は?巨大食人植物?・・・舐めてんなァおい!!」
ゲインは剣を抜いて帯電させ。
それぞれの戦いが、幕を開ける。
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