第8話 お困りですか?(前編)

 サトリ:人間の皆さんこんにちは、ナレーターのサトリです。新しいお弟子さんを迎えた翌日に合流したミオちゃん。ベルゼコレション巨人の座布団をいざ実食・・・といったとろで何やら店主は困っている様子。どうしたのでしょうか?


 魔界時間13:40 飲食街お好み焼き屋『鉄板風見』


 ちびっ子達:ご・は・ん!ご・は・ん!


 ミシェル:ハイハイ。大将、お好み焼き8つお願いするっス!


 店主:はいよ〜。  


 常連客A:そういや、この店にはベルゼコレション巨人の座布団ってのがあるんだって?


 常連客B:そうそう、生地の大きさだけでも大陸くらいの大きさがあるってよ。


 ミシェル:今ものすんごく不吉なワードが聞こえたっス。


 シャルロット:わ、私もですわ。


 木花:どうせ店員さんに化けてるんじゃないですか?


 店員:は〜い、お好み焼き8つ、お待たせしました〜♪


 杏:ジ〜・・・


 店員:な、何かな〜?


 ミシェル:ま、まさかこの店員さんマリアンヌ様?


 木花:それにしては杏ちゃんの反応おかしくないですか?


 杏:このお姉ちゃん神様です。


 ミシェル:おぅえ⁉︎


 バックヤードの奥から物音がする


 店主:あん?何だ?

 

 店員?:クックック、バレちゃあ仕方ない♪


 変身魔法を解く店員?


 アテナ:アテナお姉さんよ〜ん♡


 ミシェル:いい歳こいた女神が何言ってるっスか。


 店主:うおっ!新入りにマリアンヌ様、何でこんな所に⁉︎


 アテナの胸ぐらを掴むマリアンヌ


 マリアンヌ:こんの、駄女神!よくも私を閉じ込めてくれたわね!


 アテナ:あ〜ら、アンタみたいな悪魔なんて14天界王の私にかかればチョロいもんよ♪


 マリアンヌ:あ〜ら、が付くんじゃなくって?このロリコンババア!


 アテナ:あ?喧嘩売ってんのか?


 ミシェル:他のお客の迷惑だから止めるっスよ!


 シャルロット:私達では止められませんわ。


 神官:やっと見付けましたよアテナ様!


 メイド:マリアンヌ様もいい加減にしてください!


 アテナ:うおっ!アンタどうやってここが分かったのよ!


 マリアンヌ:私は今回被害者よ!

 

 神官:もぐもぐガールズがこの国に来ているとの情報が入り、この飲食街で目撃情報も入っていたのでこの辺りを張り込んでいたら案の定というわけです。さ、帰りますよ。


 アテナ:断る!


 メイド:マリアンヌ様は帝王都サタンヘイルダムで行われる魔界宇宙貴族連盟の定例議会の日と私は言いましたよね?


 マリアンヌ:み、見逃して〜!  


 メイド:ダメです、今回は魔界宇宙帝王ヘイルフォックス様もご出席なさるのです。今回はそんなワガママは通用しません!


 マリアンヌの耳を引っ張って店を出るメイド


 マリアンヌ:い〜や〜だ〜!


 ミシェル:歯医者を嫌がって駄々こねる子供みたいっスね。


 神官:ほほぅ、断ると。ではその発言録音しておきましたので、ありのままを天界大帝ラクード様にご報告させていただきます。


 アテナ:ちょ、何でそこでラクード様の名前が出てくんのよ!


 神官:何故と言われましても、そのラクード様から連れ戻すよう直々に命を受けておりますので。


 アテナ:ま、マジ?


 神官:マジです。そういうわけですのでラクード様直々のお呼び出しをお断りになられたと報告して参ります。


 神官の後を追うアテナ


 アテナ:ちょちょちょ、ちょい待ち!冗談よ冗談、誰も行かないなんて言ってないじゃな〜い・・・ね?


 浮かない表情をする店主


 杏:う?お困りですか?


 店主:ん?ああ、ちょっと困った事があってね。


 ミシェル:とうしたんスか?


 店主:いやね、マリアンヌ様からアンタ等に巨人の座布団を食わせてやってほしいと頼まれたんだが。肝心の材料が1つまだ届いてなくてね。アレが無いと巨人の座布団は完成出来ないんだ。


 シャルロット:それは何ですの?


 店主:巨人の座布団の味の要である岩流鰹節がんりゅうかつぶしっていう鰹節さ。


 ミシェル:岩流鰹節?


 店主:この国でしか獲れない岩流鰹がんりゅうがつおで作られる希少な鰹節でな、物はあっても出荷されてないらしいんだ。連絡しようにも場所が場所なだけにどんな通信システムも使えなくてね。連絡できないでいるんだ。


 シャルロット:その場所は?


 店主:岩流鰹の親玉、巨岩鰹きょがんがつおって巨獣が生息する海域のある島だ。


 杏:杏達にお任せです!


 店主:嬢ちゃん達にか?


 ミシェル:あ、そうか!海といえばがいたっスね♪


 店主:へ?


 ミシェル:まぁ、騙されたと思ってこの子達に任せてほしいっス♪


 店主:あ〜、まぁ、それならダメ元で頼む。


 ちびっ子達:お任せです!


 後編へ続く・・・











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