第3話 声の人
魔界時間10:50 情熱惑星収録中
Q:子供は好きなんですか?
???:はい、大好きです♪はじめてのお手伝いとか、小さい子供が活躍する番組のオファーは喜んでお受けさせてもらってるんです♪
AD:はい、オッケーで〜す!お疲れ様でした〜♪
カメラチェックをする番組プロデューサーの横から覗き込むディレクター
ディレクター:良いな、彼女♪
プロデューサー:ああ、例の新番組のナレーターの件?
ディレクター:彼女、名前は?
プロデューサー:あれ?天下の
ディレクター:勿論知ってるさ。ホラ、彼女を知らない人間の
プロデューサー:しょ〜がないなぁ。彼女の名前は
ディレクター:だからこそピッタリなんじゃないか♪
プロデューサー:俺ぁ良いけど、そういう事は文字通りマネージャー通してくれよ。プロなんだからそれくらいは分かるだろう?
ディレクター:分かってるって♪
マネージャー:お疲れ様、この後の予定だけど・・・ん?
ディレクター:どうも〜、私こういう者です♪
マネージャー:ええっと・・・え?魔王少女物語シリーズ統括ディレクター⁉︎
ディレクター:実は未見知さんにシリーズ新番組のナレーターのお話を持って参った次第でして♪
マネージャー:ご存知の通りウチの未見知は押しに弱いので断れないでしょうが、気の乗らない内容だとそちらの期待に応えられないかと思いますが。
ディレクター:え〜、そう言わずに〜!あ、そういえば未見知さんってもぐもぐガールズの大ファンだそうじゃないですかぁ♪
もぐもぐガールズの単語に反応する里理
ディレクター:惜しいなぁ、勿体無いなぁ。今度の新番組の主役はそのもぐもぐガールズなんですけどねぇ。
里理:そ、それ本当ですか!
マネージャー:さ、里理!
ディレクター:本当だよ〜、ね?ナレーター(代理)のミシェルさん?
ミシェル:本当っスよ〜。
里理:マネージャーさん、私出たいです!
マネージャー:お、落ち着いて!
里理:聞けばあのアオイさんが猛プッシュしで立候補してるらしいじゃないですか!早くしないと取られちゃいます‼︎私、もぐもぐガールズの事でアイツにだけは負けたくないんです‼︎
マネージャー:もうっ!何でもぐもぐガールズの事になるとそう押しが強くなるのよアンタは!
里理:お願いします!
ディレクター:ほらほら、本人もこう言ってる事ですし♪
マネージャー:あ〜もう!分かったから、事務所に確認取るから‼︎
所属事務所に電話するマネージャー
マネージャー:あ。社長、お忙しいところすみません。実は・・・え?本人が良いって言ったら受ける事で話はついてるですって⁉︎
思いっきりガッツポーズする里理
里理:やった♡
マネージャー:はい・・・分かりました・・・では失礼します。
通話を切るマネージャー
マネージャー:・・・ハァ、社長に話通してあるなら最初からそう言って下さい。
ディレクター:いや、ちゃんと話し聞かずに断ろうとするからですよ♪
マネージャー:ではあちらでギャラの交渉をしましょう。里理、貴女は次の収録あるから先にロケバス乗って行って。後から追いかけるから。
里理:は〜い♪
上機嫌でロケバスに向かう里理
『ロケバス前』
???:もぐもぐトラベラーズのナレーターになったそうね。
里理:あら、アオイじゃない♪
アオイ:本編降りる覚悟で色々根回ししてたのに横取りなんて良い度胸してるじゃない♪
ミシェル:あれ?アオイさんってこんな人だったっけ?
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ミシェル:え?『この2人は同期で普段は温和で仲良いけど、ちびっ子の事になるとこうして度々衝突してるんです』って?・・・女って怖いス。
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ミシェル:へ?『ミシェルさんも女じゃないですか』って?ま、そうっスけど。とにかく次回からは里理さんのナレーションでお送りするっスよ〜♪
アオイ:・・・絶対ナレーターの座から引き摺り下ろしてやる。
ミシェル:こ、怖っ!
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