第22話 これが魔王のレベ上げだ!2
あれから5回寝た。
つまりダンジョン内では10時間が経過した事になる。
病院から出るとゾンビしか見えなかった。
全領民が蘇ったのだろう。
それがどうした?
俺は全く意識せず屋敷に向けて歩いていく。
勿論噛み付かれる、
だがダメージは受けない。
纏わりついて来て動きにくい、
喧しいと腕を振ると一気にゾンビが消滅する。
テロンッ
レベルが7→8になりました
HPが62→64になりました
ステータスポイントを3獲得しました
ただただ進む
体がぶつかる度にゾンビは消滅する。
その度に大量の経験値が入ってくる。
腕に噛みつかれる度に一気に吹っ飛ばす、
このままここに居れば直ぐにレベルは上がるのだろう。
テロンッ
レベルが8→9になりました
HPが64→66になりました
ステータスポイントを3獲得しました
でも我慢なんて出来るわけない、
あの騎士を倒す為にあれだけ長い時間を費やしたのだ。
早く会いたいなぁ
あぁ、楽しみだよハミルトン
戦闘前に感じるワクワクした気分では無い。
楽しみなのだ。
テロンッ
レベルが9→10になりました
HPが66→68になりました
ステータスポイントを3獲得しました
とうとう屋敷の小さな扉まで到着する。
毎回少し空いているみたいだ。
中に入る、
勝手に閉まるはずの扉は大量のゾンビに邪魔されて空いたままだった。
その結果俺は大量の領民を連れてハミルトンの屋敷に侵入する事になる。
目の前に死者が居なくなった分歩きやすくなった。
それから少しすると、
紫一色の世界で光輝いている物を見つける。
あぁ、そういえばここにも騎士の銅像あったな。
真横を通る、
やはり蘇った者たちは近くを通れないらしい。
見えない半円の壁でもあるかの様に弧を描きながら迫ってくる。
ようやっとスライドドアまで辿り着く。
今回も開ける時に音はしなかった。
相変わらず中には何もない。
ランプの色が紫に変わったせいかかなり不気味だ。
そのまま真っ直ぐ進む。
『随分遅かったね』
屋敷の真ん中には赤い瞳を輝かせた黒い騎士が立っている。
「お前を圧倒する為にな」
会いたかったぜ
『本気で言っているみたいだね』
騎士は長剣を抜いて続ける。
『私と戦う資格は得られたかい?』
挑発する様に、しかし穏やかな声が俺に届く。
「手加減してやるよ」
俺はハミルトンにゆっくり近付き手を差し出す。
『なんのマネだい?』
考えが読めているはずだろ?
やられた事をやり返したいんだよ。
俺は騎士の左頬に小指の爪を立てる。
そしてゆっくりと食い込ませる。
赤い瞳が動揺に揺れる
死霊術士ハミルトン
HP 2900/1500
『まさか100もダメージを貰うとはね
いいだろう お望み通りの事をしてあげよう』
騎士は剣を構えた。
「これで全部やり返したぜ」
俺は直立して首を差し出す。
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