第21話 これが魔王のレベ上げだ!1


 あれから俺は村にあった50の家と10の銅像を全て調べた。


 その収穫は5冊のノートと1つの鍵。


 ゾンビとの戦いを回避しながらだった為、かなりの時間が経った事だろう。


 わかった事が1つ。


 奴らは銅像の周りを認知出来ないらしい。

 いつも最短で近付いてくるのに銅像を調べている時だけはこっちに来なかった。


 しかしプレイヤー側も銅像の近くではアイテムを使用出来ない。

 安全圏から一方的な攻撃は出来ない作りなのだろう。



 そのせいで折角見つけた手掛かりを俺はまだ読めていないのだ。



 回復施設 病院



 屋敷の正面にある、まだ調べていない最後の場所だ。


 病院は唯一この村で体力、魔力を回復する事が出来る場所らしい。


 中を探索する為に中に入る、

 これまた昔のゲームを思い出すように白いベットが2つ並んで置いてあるだけだった。


 ちなみに病院内は安全圏扱いなので戦闘もないがアイテムも使えない。


 俺はベットを調べる。


ベットで寝て回復しますか?

※ダンジョン内時間が2時間進みます※


 2時間……

 7200秒

 ゾンビ1440体


 今更増えた所で関係ないか。

 最悪目の前に屋敷がある。

 ハミルトンの目の前で攻略する為のノートでも読んでやるか。


 流石に疲れた、

 ベットに吸い込まれる様に入った俺はゆっくりと目を閉じる。





 ピッ ピッ ピーン





 変な音で目を覚ました。

 不思議と疲れは取れている。


 さて、魔力も回復した事だし、

 ハミルトンを倒しに行くか。


 自分を鼓舞して立ち上がる。



 そして軽く後悔した、

 それは地獄の様な景色だ。


 目の前には押し寄せる大量のゾンビ。

 ドアを出たばかりの俺に抵抗出来るはずもなかった。


 反射的に目を閉じた。

 直後感じる噛まれた感覚。

 何体ものゾンビが覆い被さり体は地面に倒れていく。


 クソッ ここまでやってゲームオーバーかよ……












 死なない……

 アナウンスが来ない……

 もう死んだのか?



 俺は目を開ける。


 体に噛み付いてる奴等は皆必死にガジガジしている。


 あれ? ダメージがない?


 理解が追いつかないまま目の前の奴に頭突きした。


 当たったゾンビは消滅する。


 左腕を動かす。


 噛み付いていた5体のゾンビが消滅する。


 テロンッ


 レベルが6→7になりました

 HPが60→62になりました

 ステータスポイント3獲得しました


 あぁ、こいつらも一応モンスター扱いなのか。


 後何体倒せばハミルトンに追いつけるかな?


 俺は自分のステータスを確認する。


 そして笑う


 そうだ 俺は勇者じゃない。


 右手を払う また何体かのゾンビが消滅する。


 足を大きく動かす 群がっていたゾンビが消し飛ぶ。


 体を起こす のしかかっていたゾンビが消滅する。


 ハミルトン 魔王の力を教えてやるよ。


 病院に引き返しベットに入る。


 俺は 魔王だ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る