何やってんの……… ゆうside
今日、神奈がパーティへ行く日だ。
普段危なっかしい彼女がパーティだなんて煌びやかな場所に行くから、聞いた時は顎が外れそうだった。
何せ神である僕に暴言をかました人だからね。何かあってからじゃ遅い。
でも、あんまり人間が開くパーティってそんなに好きじゃないんだよなぁ。
『はああああぁぁぁ………』
今日何度目かの溜息が零れた。
前までの僕なら、溜息すらしてないな。
今考えれば、不思議だった。
神である僕は自分が創った世界、ましてやその世界の人間に干渉なんて出来ない。
故に、感情なんてほんの一部しかなかった。
冷酷無情な神、と言えばいいのか。僕は『無感情』が当たり前だった。
なのに、絶対神の僕は、たった一人の女性の影響を受けて、心が豊かになってしまった。
こうも誑かされているんだ、今更戻れそうにない。
危なっかしくて、誰にでもズバズバ物言って、頭がおかしくて、それでも冷静で、いくつもの面を持っている彼女は、一体これまで何人の人々を魅了していたのか。
そのせいで、もう一つの魂が
………もう、今回は厄介なことばっかりだ。
さて、本題に戻ろうか。
現在、神奈は微笑みの仮面を付けて大勢の金持ちに手を振っている。
負けじと彼女の父親も仮面を付けている。
……とんだ化け親子だな。
神奈なんて、どこでそんなことおぼえてきたんだ??
歌手……ああ、そう言うことか。
まったく、世話が焼けるじゃじゃ馬娘め。
そうこう考えている内に、神奈とその父親が黒髪の男に話しかけられた。
黒髪の男はにこやかに笑顔を貼り付けながら神奈達に話をしている。父親……肇、だっけ?肇とやらは、さっきと変わらず微笑みの、仮面を付けている。
人間って、どうして面倒くさいこと簡単に出来るんだ?
偽ったって、無意味なのに。
人間の常識って、変なの。
肇と黒髪の男と神奈が談笑していると、黒髪の男の子供二人が神奈に話しかけた。
神奈が挨拶をすると、男の子二人は笑顔を浮かべて返した。
「神奈嬢もご機嫌麗しく」
「以前よりももっと美しくなられましたね」
第三者から見ても、二人は美しい顔立ちで、将来さぞモテそうだ。
そんな金の卵二人の微笑みに神奈は若干引いていた。
……何やってんだか…。
どうせ「こんな四歳嫌だわ」とか思ってるんだろうなー。
おそらく、神奈は後々迷走する。とゆーか文句言うね。
念のためテレパシー送っとくか。
この後、神奈のポンコツさに心底呆れることとなった。
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