第6話 おんなのしゅしょくはすむーじー
アパートに戻ってきた。最近は安くてもオートロックだったりする。
自分のうちなのになんだか挙動不審になってしまう。あたりをキョロキョロ伺ってエントランスのキーを開錠する。
「よし、誰にもつけられてないな…?」
自分の部屋の前までの廊下も何故か早足になっていた。ドアを開け部屋に入るやいなや、バスルームへ直行し、再び鏡の前へ。おそるおそるフレームに手をかけ、メガネを外してみる。
…戻らない!?
女のままだ。
漠然とした恐怖が襲ってきた。自分が自分じゃなくなる恐怖。
ええ!?俺このままなの!?
どうすんの、この世に生を受け20余年、男の子として過ごしてきたのに急に女の子になれなんて無理がある。どうすんのよ、全然しらないぞ、女の私生活。何喰ってんの?スムージー?タピオカ?お風呂に何回入ればいいの?ヒールは何センチ?ブラジャーは何カップ?
これが俗にいうパニックである。
とにかく一時間くらい、パニクってみた。
お茶入れたり、ネットで調べてみたり、おっぱい触ってみたり、お茶入れたり、熱くて火傷したり、鏡の前でポーズしてみたり、あと、おっぱい触ってみたり。
ネットで工事済みのニューハーフの記事読んだり、変身ものの漫画読んだり。
しかし、どうやらお茶を飲みすぎていたようだ。
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