第14話
シェ・ファニュは、その黒煙を見たとき
それから二時間余り、ファニュは凍りついたように待った。しかし残骸の中に何の動きも見出せないとわかると、恐怖と驚きは思春期を迎える少女の中に抑えがたい好奇心を芽吹かさずにはおかなかった。だが彼女は軽はずみな行動には移らなかった。幼い頃から仕込まれたとおり、真昼の太陽が雪の大地を余すところなく照らし出す今の時間でも、用心深く雪の上に腹這いになって辛抱強く観察をし続けた。
彼女が隠れた小高い氷塊からは墜落現場がよく見渡せた。飛行船は完全に破壊されており、まだ所々で火が
ファニュは残骸周辺で何も動きがないことを再度確認すると、意を決して瓦礫の山へ向かった。そこに到着すると、その巨大さに圧倒された彼女は手袋に包まれた小さな手で槍をぎゅっと握りしめた。残骸の周りを抜かりなく一周したファニュは、安全を確認して、もと来たところに戻った頃には適度な空腹感に襲われていた。幸いなことに未だに火が
とにかく食事と暖を取り、少しは身体を休めることができそうだ。隊商探しはその後で考えよう。隊商は徴用されたエイブの他は嫌な人間ばかりだが、今の彼女にとって、その集団が、唯一身を寄せることができる家だった。
ファニュは雪の上に
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