八雲会議
「あら雨寺君、何が御用かしら。」
日傘を差している女の神がいた。ゆっくりと歩を進める。
「いや、その八雲様きょうは良い運動になりました。くそば。」
「あら何かしら若造、死神読んでほしいの。まさかと思うけどね」
恐ろしく殺意に、満ち溢れている。やばい、謝らないと。
「容姿端麗でございます」
「はーい。良く出来ました。いい子ね。良く出来ました。禁句言ってダメよ。」
笑顔の中にとても殺意が芽生えている。
「黒乃さんいつもこいつの面倒ありがとうね。貧乏神だから苦労あるでしょう。大丈夫。」
「えっとなんだかんだで。でも賽銭箱は空です。」
「金銭的なことは弁財に聞くといいよ。」
「はい。」
するとすぐさま弁財の所に行きやがった。見下されることは確定か。
「雨寺には勿体無いんじゃない。あの巫女さん。宝の持ち腐れでしょう。」
「あのさー、まだ酒飲むのかい。」
「何言ってるんだ飲めよ。」
そう言ったのは、黒乃と話している弁財天だった。
「はいはい、これぐらい飲めるよな、な。」
「はい。」
過去一度だけ断ったらベクトルがえぐいぐらいブチギレた。あれは怖い。だから全力で避ける。
「黒乃さんから聞いたぞ金がないんだってな。初詣があれだ金が稼げる。そうだな、お守り作ったら。それにあれだ……………。」
これこそが最も恐れていた八雲会議だ。年一で開かれている。弁財天の機嫌を伺いながら時が過ぎるのを待っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます