八雲会議

「あら雨寺君、何が御用かしら。」

日傘を差している女の神がいた。ゆっくりと歩を進める。

「いや、その八雲様きょうは良い運動になりました。くそば。」

「あら何かしら若造、死神読んでほしいの。まさかと思うけどね」

恐ろしく殺意に、満ち溢れている。やばい、謝らないと。

「容姿端麗でございます」

「はーい。良く出来ました。いい子ね。良く出来ました。禁句言ってダメよ。」

笑顔の中にとても殺意が芽生えている。

「黒乃さんいつもこいつの面倒ありがとうね。貧乏神だから苦労あるでしょう。大丈夫。」

「えっとなんだかんだで。でも賽銭箱は空です。」

「金銭的なことは弁財に聞くといいよ。」

「はい。」

するとすぐさま弁財の所に行きやがった。見下されることは確定か。

「雨寺には勿体無いんじゃない。あの巫女さん。宝の持ち腐れでしょう。」

「あのさー、まだ酒飲むのかい。」

「何言ってるんだ飲めよ。」

そう言ったのは、黒乃と話している弁財天だった。

「はいはい、これぐらい飲めるよな、な。」

「はい。」

過去一度だけ断ったらベクトルがえぐいぐらいブチギレた。あれは怖い。だから全力で避ける。

「黒乃さんから聞いたぞ金がないんだってな。初詣があれだ金が稼げる。そうだな、お守り作ったら。それにあれだ……………。」

これこそが最も恐れていた八雲会議だ。年一で開かれている。弁財天の機嫌を伺いながら時が過ぎるのを待っていた。

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