神無月

とうとうこの月がやってきてしまった。嫌だよ。

「黒乃さん助けて下さい。これじゃあ当てる顔がないよ。」

「良い機会です。この日を境に布教活動してください。」

「いやしてるよしてるけど。儲からん。神社が大きくならん。」

「サービスが多いですよ。サービス神様。」

「大きな神社の神様が居るからアルハラパワハラし放題。だから出たく無い。それでどうするんだ黒乃他の神様のところ行っていんだぜ。」

「…なんだかんだでずっとここでやってましたからね。面白いので良いかななんて。どうです似合ってますか。」

ご機嫌だった。なぜなら昨日ぐらいに注文していたものが来たから。間に合わなかったらブチ切れ案件だった。なんせ出雲大社には全国の神と使いが集まるから。

「良いんじゃないか。」

「棒読みですね。やっぱりやめようかな。」

「ごめんそれどこじゃない。嫌だな、パワハラアルハラに耐えますか。」

「貧乏神No.1ですよね。弁財様とは真逆。」

「うーん仕事はしているんだけどな。家庭教師、ぺット探し、いざこざの解決、看病、家政婦…キリがないんだけど。なぜだなぜ儲からない。」

「お駄賃が激安だからです。」

そんな話をしていたら出雲大社に来てしまった。ああ帰りたい帰りたい。出雲の野郎こんなに歩かせやがってあとで覚えとけよ。目に物見せてやる。

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