第3話 過去を変える方法について考えてみる

久々の高校から帰宅して、今後の生き方について考えてみる。

まず一番に変えたい事は38歳の自分が生きてきた未来の環境を変える為に出来なかった事や、やれずに諦めた事を2度目の今出来る限りやろうと思う。これはゆっくり綿密に計画を立てる必要があるので先に未来が本当に変わるのか実験をしなくてはいけない。


今が高校2年の夏休み前日なので愛犬 小太郎が夏休みの初日に近くを通った猫を追いかける為に威嚇して吠えた際に古くなった首輪が切れ道路に飛び出して車に引かれて死んだのを思い出し

「急いで買い換えないと、未来が変わるか分からないが小太郎には生きてて欲しい。」


まずは小太郎のへたれた首輪を新しく丈夫な少し高めな首輪を買いに行く為に近くのホームセンターJUSTに行って来よう。


両親ともに共働きなので家の生活費がある場所は以前から変わっていなければ台所の戸棚の引き出しの3番目の缶の中に入っているのを思い出し、戸棚を開けて見たらやはり同じ所にあったので「変わらへんな。ほんま不用心やな。」とは思いつつ、子供の頃に集めていたキャラクターの缶の中から1万円を拝借した。


「おかんに怒られるかもしれへんし、後で言い訳考えなあかへんな。」

制服からいつものスポーツメーカーのジャージに着替え、玄関を出た。


玄関先に小太郎がかまってくれと吠えるのを何とか制して

「待っとけよ、絶対に死なさへんからなっ。」と言って自転車に乗ってホームセンターに向かった。


田舎のホームセンターはやたらとでかい。都会では考えられない程の広さで有効利用を完全に無視した作りでゆったりと量が半端なく置いてある。何処に使う部品か分からない物が多く、ほんまに売れるんか本当に不思議だ。


ペットコーナーにたどり着き、目当ての首輪を見つけたので中型犬用の高めの首輪と明日無事に生きていたらと思い、普段買わない高めのビーフジャーキーも一緒に取ってレジに向かった。


早速家に帰り、遊べ遊べと纏わりつく小太郎をあしらいながら首輪を変えて上げた。

首輪を変えただけなのにいい所の犬のような雰囲気が出て、小太郎も満更ではないように「ワフッ」と鳴いた。

「これで明日、無事で居てくれよ。」

部屋に戻り、明日で未来が変わる事を思って次に考えなければ行けない事を思い出した。

高校の時に使っていたガラケーは今は持っていない代わりに今の世界には無いスマホが手の中にある。

「これの意味が良く分からないんだよなぁー。メール機能しか使えないし、それも38歳の自分の世界と繋がっている意味が分からない。今日も嫁からは『帰って来ないのは別にいいのですが、生活費はちゃんと振り込んで下さい。』と痛烈なメールを寄こしやがって。」

腹が立ったのでこちらからはメールに返信していないが。

絶対に未来を変えて、同じ過ちを繰り返さない。と心に決めた。

メールがこちらからも送れるのか分からなかったので、唯一の幼馴染の梢にメールしてみた。

『梢、今西暦何年か知ってるか・・?』

案の定、バカにしたように返事が返ってきた。

『久々にメールが来たと思ったら、しょーもない内容でこっちは子育てで忙しいからうっとおしい・・・・2020年』

やはり繋がっているみたいだ。ちゃんと西暦も教えてくれる当たりがさすが梢様。

持つべきものは幼馴染だ。

『試しただけです。子育て頑張れよ新米ママ』とメールに返信して置いた。


「何かの拍子で過去に飛ばされたはいいいが、戻り方も分からない以上はこっちで生きていかなければいけないか。」

夕方になり、両親も仕事から帰ってきた。先に生活費を使った事を謝ったが逆に

「小太郎の首輪もだいぶんくたびれてて変えよう変えよう思ってたけどいつも忘れてしまってたから助かったわ。たまには気がきくやないの。」

「たまにはは余計やけど、ちょっといい奴にしたのでそこは大目に見といて。後たまには小太郎にもご褒美にビーフジャーキーも買ってあげたし。」

「家の番犬様やし、たまには褒めて伸ばしてあげなあかんね。」と意味分からない事を言うおかんだったが。怒られなくて良かった。

「そういや明日から夏休みやったら今日成績表もらってきてるやろ。みせなっ。」

あかん忘れていた。久々の学校でテンションが上がって成績表もらってたが中身まで見てなかった。

「まあまあやったし、いつも通りやし問題無しやで。」

「はよっ!」

「別に変わらへんよ。」

「はよっ!!!」

「分かりました。今すぐにっ」はぁー完全に忘れていた。学生の期末のイベントが合ったのを・・・。すぐに部屋に行き成績表を隅々まで確認して中の下くらいのいつもの成績なのでそのまま渡す事にした。

「はあ、良くも悪くなく補習も無かったから良しとしていいのか・・・・。高校2年生やったら将来どうするかそろそろ決めなあかへん時期やろ塾にでも行かしてみようかね。ねえお父さん。」

完全無視の親父におかんもため息をつきながら

「将来どうするのか決めてるんか。」とおかんが聴いてきたので

「BIGな男になる。」っとボケてみたら本気でげんこつが飛んできた。

冗談が通じない親をもつと大変だ。親父はニヤニヤ笑っていたが・・。

「取り合えず塾には行かすからね。さあ、今日はすき焼きにするから手を洗ってきなさいよ。」

家族団らんの夕食を食べて明日に向けて早めに就寝する事にした。

明日小太郎が生きててくれますようにと願いを込めて・・・。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る