第2話 気がついたら

少しだけ赤く染まったお風呂の中だった。


あ、生きてんのかよ。


これがまず思ったことだった。あの時目が覚めなければ良かったのに、、、なんて今でも思うことはある。

ただその時は、生きてるもんは仕方ないので冷え切った身体を温めるためにお風呂から出てシャワーをした。


切り傷にお湯が染みる。身体にも血がついてるのでボディソープでしっかり洗い流す。

泡が赤く染まり、それを痛みと共に洗い流した。


なにやってんだろーな。って思いながら湯船に溜まったほんのり赤いお湯を抜いた。


いつも通り朝ご飯作って食べて、その後に傷を塞ぐための包帯とかガーゼとかを買いにいった。


死ぬはずだったのにまた生きようとしてる。なんかよくわからなくなった。


その夜デリを呼んだ。

えらく傷ついている腕だったから、嫌がるかなって思ったけどその嬢も同じような経験からしていた。

ドン引きされるとただ思っていたから共感してもらえたことが嬉しかった。


一生消えない傷をつけた翌々日。会社に行った。

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